あらすじ
栗山英樹は何を考え、どう選手と接してきたのか――。
WBC、侍ジャパンの優勝で注目された指揮官、栗山英樹。選手から絶大な信頼を得、チームを躍動させた男が綴っていた、監督とは、チームとは、そして野球の難しさと魅力とは。
ファイターズ時代のシーズンを振り返りながらまとめた栗山イズムの真骨頂。
【目次】
はじめに
第1章 プロの責任
組織作りの中での「勝利」と「育成」の関係
ファイターズの人間力 それを体現するもの
第2章 「四番」の責任
8年目、勝ち続けるために発想をゼロベースに戻す
「四番・中田翔」の黎明期 苦悩から変わり始めた姿勢
大きなものを背負う中田翔と使命、その戦い
2018年、「四番」を壊す清宮幸太郎という存在
第3章 監督としての1000試合
監督として1000試合「勝利」と「育成」の関係
「戦力が整いました。絶対に優勝します」
優勝の望みを絶たれたあと奇襲が必要になる
第4章 指揮官の責任
うまくいかないとき、なぜいつも「こっちの責任」と言うのか?
現場の指揮官が大事にすべき心構え
答えがないからこそ、ヒントを探し続ける
選手たちが「人のため」にプレーできるようになる秘密
第5章 7年の蓄積と、8年目の問い
先入観を捨て、野球をリスペクトする
おわりに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督の選手への思いやりと強く信じる思いや2018年シーズンの回顧、そして同監督自身が本を読んで得たプロ野球選手に大切という「人間力」を養うために大切にしている言葉の数々が印象的な一冊でした。
とくに選手への思いやりは、69ページにあるエピソードを読んでいて強く感じました。
それは、監督就任一年目、日本シリーズ第6戦で2018年をもって引退した石井裕也投手が負け投手になった時のエピソードで、「もとより選手が責任を持つ必要はないのだ。(中略)彼が敗戦翌日の新聞を切り抜き、『石井で負けた』という見出しの記事を部屋に張っているという話を聞いた。(中略)その切り抜きを家族は毎日どんな思いで見ているのかだろうかとしばらく引っかかっていた。そして、優勝旅行で奥さんを紹介されたとき、その思いを素直に伝えた。何より、彼のおかげで優勝できたという感謝の気持ちを伝えたかった。そこで涙を浮かべた奥さん(略)」
この一文を読んで自分は涙しました。選手に対する監督の感謝の気持ちがなんて温かいのだろうかと。
そして、もう一つ印象深かったのは「人間力」を養うための読書から得た気づきです。これは詳述しませんが自分にも当てはまることがあり感銘を受けました。
野球のキャンプが始まりますが、新体制のファイターズには期待がいっぱいです。あとがきには今年のドラフトメンバー一人ひとりの評価が綴ってあるので、これも必読だとおもいます。
Posted by ブクログ
2024/11/12 01:20
初版は2019年、そして2023年には5版まで版を重ねた本なんだとは思わなかった。
栗山さんは、「相棒」がいますかと問う。それは人でも物でもどんなものでもいいのだそうだ。困ったとき迷ったときにヒントをくれる存在、それは本でもいいし、言葉でもいい。
年間100冊も読めば、そういう本に出会える可能性は高くなるけれど、その反面、何度も繰り返し読む本は殆どなくなってしまうから、今年はそういう読み方はやめようと思ったのに、結局いつもと同じで、結果、冊数は稼いだけれど、何か相棒になるような本や言葉は見つかったのかといえば、あったのかもしれないけど、もう忘れてしまった…
今年はこれから、論語と算盤なのか、幸田露伴の努力論なのか、とにかく「相棒」に出会いたいなあ…
Posted by ブクログ
日本ハムファイターズで8年目を迎える栗山監督が、2019年シーズンを迎えるにあたっての心境や、ファイターズのチーム哲学を語る内容。長らく応援してきたチームだが、より一層、栗山監督とファイターズのことが好きになった。プロ野球選手に最も必要なのは「人間力」である、という監督の持論にはとても共感できたし、あの大谷翔平という逸材がここまで能力を開花できたのは監督の功績が大きいと再認識した。組織運営、リーダー論、人材育成、といった観点で見ても、得られる気付きはとても多い。野球ファンだけでなくビジネスマンにもお勧め。
Posted by ブクログ
栗山さんが、戦局でどのように考え、
選手に想いを託したのか。
選手一人ひとりへの深い想いが伝わる。
「人が成熟する速度は、
その人がどれだけ恥に耐えられるかに比例する」
失敗だらけの人生。
エンゲルバートのこの言葉に、
勇気が湧く。
引退試合で、
ネクストバッターズサークルで試合終了を迎えた、
選手栗山さんの光景が忘れられない。