あらすじ
いま、人類が230年かけて築きあげた「人権尊重、平等、人種差別しない」という壮大な理念が音を立てて崩れつつあります。そして、自由の国アメリカもまた世界覇権を失い、国家分裂の危機に直面しています。本書は、政治思想研究者の副島隆彦が混迷するトランプ政権の舞台裏に光を当て、テレビや新聞など日本のメディアが報道しない数多の新事実を暴露する世界情勢の最新解説書です。アメリカ、欧州、そして日本の未来がわかります!
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Posted by ブクログ
今年(2024)のGWの大掃除で発掘された本のレビューは大方終わりましたが、その前に娘夫婦が宿泊した時に大慌てでスースケースにしまい込んだ本があり、それらの本のレビュー書きを終了させたく思っています。
記録によれば、コロナで初めての緊急事態宣言が出された頃に読み終わっていた本で、この本の筆者の副島氏は、私が社会人になった頃(平成初期)からお世話になっていて、この本で71冊目となります。
今年(2024)の秋には米国大統領選挙が行われますが、あまり日本では、それらに関する報道はなされていないようですね。今回はコロナ禍における選挙ではないので、前回のような異常な数の郵便投票がない普通の選挙になると思いますが、公正な選挙をしてほしいものですね。
以下は気になったポイントです。
・アメリカ国民は二つに分裂している、というのは本当である。国論が二つに分裂していると訳すべきである。今やアメリカは国家として、三つに分裂しそうな勢いになっている。1)東部国(建国13州、フロリダ、ミネソタ、イリノイ、ケンタッキ等)、2)中部國、3)西部国(ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ネバダ)(p4)東部国は、ヨーロッパ白人社会と生きていく、西部国は大衆的リベラル派としてアジア諸国と付き合うだろう(p7)大都市シカゴが、ニューヨークと付いて東部國に入ること、五大湖の沿岸州はここに入ることになる(p18)
・トランプはものすごく分かりやすい政策を実行している、アメリカの大企業の工場をアメリカに呼び戻せ、アメリカに新工場を作ってアメリカ国民を雇用せよ、アメリカ国民の失業者とホームレスをなくせ、と必死で動いている。この明快なトランプの行動(政策の実行)を、なぜか日本では報道しない、トランプには裏表がない、あるのは、今もアメリカ政界に根強くいる、ヒラリー・クリントンの勢力と、それを応援するメディアである(p47)
・アメリカという国は、超大国なのに、ホントにたった1本の新幹線を通すことさえできない。土地はたくさんあるのに、本当に先進国のトップですかと首を傾げたくなる(p78)
・ジェフ。ブッシュが、フロリダ州知事をずっとやっていた、息子のジョージ・ブッシュの実弟である。その息子に、ジョージ・P・ブッシュ(1976年生まれ)がいて、彼が大統領シウ選挙に共和党から出てくるだろう(p84)
・2024年になったら、大きな金融市場の危機がくる、それは、アメリカ・欧州・日本を含む各国政府の財政破綻となり、財政崩壊になり、世界は大恐慌になるだろう(p90)
・トランプや、ジュリアーニ(元NY市長)、ウィルバー・ロースなどは、1980年までは民主党だった。実は、ニューヨーカーはアメリカ国内では威張っていて、他の州の人たちのことを田舎者だと思っている。このことはなかなか活字にはならない、日本で言えば京都神田(p96)1980年に、レーガン・デモクラッとという、大きな国民潮流が起きた、アメリカの反保守の民主党支持だった多くの人が、共和党のレーガン大統領に投票したことをいう。ものすごく重要な政治変動であった。あれと同じ規模の大きな激震が、2016年街のトランプ当選の時に起きた。トランプが共和党支持に変わったのが、この時(1980)である(p97)だから、今のトランプ大統領の政策実行は、民主党的なのである。国境線に壁を作れ、安価な労働力を入れるな、不公正な貿易をやめろ、とは元々民主党が主張していた(p98)トランプは、2000年の大統領選挙へ、アメリカ改革党から出馬を表明した(p101)
・民主党内でも急遽リベラル派であったユダヤ系の高学歴の知識人達が、自分たちをネオコンと称して、レーガン政権に閣僚として入っていった。彼らの合言葉は「もうこれ以上、ソビエトの共産主義体制を許すわけにはいかない」だった。10年後の1988年にソビエトは瓦解を始め、ベルリンの壁が崩れ(1989.11.9)、東欧諸国がソビエト支配から解放された。そして、1991年12月8日に、ソビエトは地上から消滅した(p99)
・もうこれ以上は移民を受け入れられない、国境線の壁は必要だ、出入国が自由にできる国なんてない、ということになってきた。ところが、これをはっきりと書くアメリカ知識人や新聞記者はいない、トランプが大統領として、責任者として、体を張って、自分が悪人になってでも今のアメリカ人の本音を体現している。それをアメリカの本当の庶民、大衆、地方で慎ましく暮らしている白人が強く支持をしている(p138)
・イギリスの貴族や金持ち層が口には出さない本心での心配で、数年後にEUの中の経済の弱い国々が、次々と財政危機に陥る危険がある。その時に、イギリス政府とイングランド銀行は、救援資金をたくさん出させられることを察知した。マーストリヒト条約とリスボン条約を調べ直したらわかった。この事態にイギリスは耐えられrない。だから今のうちにさっさと離脱して、逃げたいと考えているのが、イギリス支配層の本音である(p238)
・人権尊重、平等、人種差別しない、のこの三つの人類の指導理念は、宗教の戒律のようなものだった。この戒律(聖典)を欧米白人たちは自らかなぐり捨てようとしている。230年前から光り輝いてきた欧州白人文明の「人権宣言」以来の大思想が、どうも限界に達して崩れ始めた、これに取って替わる次の理念は何なのか、わからない。これと同時に、どうも資本主義も危ない、この思想もまた、永遠の絶対的なものではなくなったようである(p243)
・今の憲法を改正(書き換え)しなければいけない、という人たちと、「今の平和憲法のままでいい」という人々の対立が国内に存在する、ところがこの日本国憲法よりも、上に、日米安保条約という軍事条約がある。これをまず廃止する、という議論を本当はすべきなのだ。それをしないと、改憲も護憲も意味がない(p247)
2020年5月9日読破
2024年6月26日作成
Posted by ブクログ
<目次>
まえがき
第1章アメリカ合衆国が分裂する日
第2章トランプ政治、七転八倒
第3章ヒラリーを逮捕し裁判にかけろ
第4章人権尊重、平等、人種差別をしないの思想滅びる
2019/3/15初版発行
P5アメリカは10年後に3つの国に国家分裂する
P72-75(アメリカは)新幹線すら通せない。反対運動、
用地買収
P153ムーニー(MOONIES)の主要メンバーであるヒラリー・
クリントン。ムーニーを作ったのはローマンカトリック(バチカン)の中
の反共主義僧侶集団(おもにイエズス会)と、CIA、
イスラエル政府一部。トランプはここと戦っている。
P167ヒラリーの6万6千通の漏出メール。
アサンジ、スノーデンによって一部公開。600-800通は出せない
リビア・カダフィを殺せ、リビアから奪った資金をシリア、
イラクに送れ、これはISの資金、。。
P170(ムーニー)日本安倍も同じ、韓国、北朝鮮
指導部も同じである。
P181トランプは2024まで。
P189リベラル派で人権重視のアメリカ知識層は~
学校で教えられたことが通用すると信じ込む。
(そうではないと)柔軟に考える人達がいる。
日本人はこのことが分かる。~アメリカにはない。
敗戦国になったことがない、帝国に生まれ育って
いるから、「理想通りに社会はなるべき、自分たちの
考え方が正しい」と傲慢なのだ。
P214リバータリア二ズム、保守思想、外国のことは
知らない
P243(自由、平等、博愛)人権尊重、平等、人種差別
しないの大理念が崩れつつある。~戒律である~
ヨーロッパ白人文明の人権宣言以来の大思想~
これに変わる思想がない
P246日本国憲法の上に、日米安保がある
Posted by ブクログ
読みやすさ★★★
学べる★★★★
紹介したい★★★
一気読み★★★
読み返したい★★
アメリカ政治のエキスパート、副島氏の時点のトランプ政権論評。2019年3月発行なので、選挙前、コロナ前だ。
しかしさすが副島氏、トランプ政権は2024まで続くと予想としながらも、トランプはどうも実権を握ってないように見えると、DSについてもいち早く言及している。
私は知識がないため理解が追い付かず、副島氏の本はいつも斜め読みになってしまう。確かに氏の言うとおり、アメリカ政治の根っこを論じる本は日本にはないのかもしれない。
全体にわたり学のない日本人を見下した副島節が炸裂しており、個人的には仰る通りかなとも思うので、痛快に捉えました。