【感想・ネタバレ】もう二度と食べることのない果実の味をのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

恋と呼ぶには あまりにいびつで
愛と呼ぶには あまりに早熟で

危う過ぎるその手を けれども取った人は
弱くても 愛だったのかもしれない

恋だけでは 呼吸はできない

優しさは淡くも儚い泡のよう
だから夢みたいな恋は いつか終わるもの

目が覚めたら 日常は寒くて 冷静だった

いつも通りの日々を
壊してしまいたいと思った その手が
けれども 好きという欲望が 崩していく

砂のように 波のように

けれども思ったように 壊れてくれない
心の方が 軋んでいく

あるいは、体の方が

美しい場所へ行きたいと思った
ここではないどこかへ
けれどもそれはどこにもなくて

認められなくて
悲しくて悔しくて
寂しくてどこか虚しくて
けれども爪を立てて 握りしめて
しがみついたそれが やっぱり
壊れることなく 私を許していた

守るための その手だったことに気づけたのなら
壊すためのその手を取ったのは やっぱり

愛だったのでしょう

0
2019年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公が
キスとセックスにのめり込んでいく過程も
そこから何事もなかったかのように
日常へ戻っていく過程も。

そうして劣等感に苛まれていた姉への
鬱屈した思いの瓦解も。

まるで昭和のよう。
そうして目新しさのない予定調和。

要するに最後まで驚きはなかった。

ただし。作者の文章力は本物だと思う
物語の発想をもっと柔軟に飛躍させてほしい。

主人公の挫折が第1志望校に不合格になる程度では
小説としては平坦にすぎる。

思いっきりのどん底か
奇想天外な輝かしい未来か。

そのどちらかに帰結してほしかった。
そのどちらでもないところが 旧弊に縛られ
日本社会の「常識」から抜け出せぬまま人生を送る
昭和の人たちを思わせるのだ。

0
2019年04月28日

「小説」ランキング