【感想・ネタバレ】レッド・アトラス 恐るべきソ連の世界地図のレビュー

あらすじ

冷戦時代に、ソ連はとてつもなく詳細な世界地図を作っていた!いまだ秘されたままの地図の制作過程と意図を読み解いていく。日本版には特別に、ソ連製地図の東京(1966年版)を抜粋収録!

ロシアではソ連時代に作られたある地図がいまだ機密扱いとなっている。かつて鉄のカーテンが東西を遮っていたなか、ソ連はとてつもなく詳細な世界地図を作成していた。 どのように情報を手に入れ、検証し、作図したのか、口を開く関係者は現在にいたっても一人もいない。
ソ連崩壊のどさくさでたまたま世に漏れた一部の地図をもとに、ソ連が世界地図を制作した過程を、ミステリー小説のようにスリリングに暴いていく。
充実した付記では、ソ連製の主要各都市の市街図、地図を読み解くための記号やルールなどを収録。本書をもとにソ連の地図を読み解く楽しさも味わえる。
カラー図版約300点。
日本語版には特別に、ソ連製東京地図を収録!

「グーグルアースが影も形もない時代、鉄のカーテンの向こう側では地球上全ての地点を覆う地図が秘密裏に製作されていた。スパイ、偵察衛星、公刊情報を基に製作されたソ連の軍用地図は不気味なまでに精密だ。現在も地図が軍の管理下に置かれ、全土の精密地図を公開しないロシアだが、本書はその実態を初めて明らかにした労作である。」
小泉悠(ロシア軍事評論家)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

旧ソ連が軍事目的に作成していた地図の解説本。解説自体はあまり面白くないが、芸術的価値も含めて本書の多くを占めている図版は一見の価値あり。

0
2019年06月02日

Posted by ブクログ

旧ソ連がコツコツ作成した軍用地図が紹介されている一冊。
世界を共産化する熱意によって、当地よりも精密な地図を作製しています。
航空写真だけでは絶対にわからない詳細は、スパイが足で稼いだのでしょう。
共産主義者の汗と涙が結集して、戦略・地政学的に価値ある情報が紙面に築かれました。
現在個人所蔵の資料が収録されていますが、今後も旧ソ連製地図は注目され続けるでしょう。

0
2019年10月21日

Posted by ブクログ

パラパラと頁を捲る。驚くほど精緻に作られた地図で眺めているだけでも楽しめる。

解説を頼りに眺めると、米国が作成した地図には記載されていない軍事的に重要な拠点が描かれていたり、逆にてんで間違った記載をしていることがあったり。
あくまで軍事に根ざした(スターリンの指示により作成していたとのこと)地図であること、また地図を作るということの難しさを実感させてくれる。

未だに詳細な地図はロシアの国家機密扱いらしいが、このような書籍を編纂できてしまうほどには流出している。

巻末に収録されている東京の地図もなかなか趣深い。

0
2019年06月15日

Posted by ブクログ

情報は武器である、ということと、ソ連は本気だった、ということ。パラメータがちょこっと変わっていたら、東側が勝っていた、という世界線は普通にあり得たのだなと思う。

0
2019年05月20日

「社会・政治」ランキング