あらすじ
限られた人以外の前では言葉が出なくなってしまう“場面緘黙症”に苦しむ冬菜は、イジメられた経験に苦しみ、ひとりでいたほうが楽だと思っていた。しかし、入学した高校で明るく人気者の夏樹と出会う。夏樹は冬菜が話せないことをなぜか知っていたが、気にせず話しかけてきて、春には桜の花びら、夏には朝顔など、いろいろな贈り物をする。冬菜は夏樹に心を開いていくけど、夏樹はたまに苦しい表情を見せる。じつは、冬菜に言えない過去を抱えていて…。心がちぎれそうな恋に大号泣!!
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Posted by ブクログ
また読むのが時間かかってしまい、投稿が遅くなりすみません。読む時は1度で50ページくらい読む時もあったけど、サボる期間が長くなり間が空いてしまいました、、
まず、この本作はただの恋愛小説ではないと個人的には思っています。主人公の冬菜は場面緘黙症を患っていて、もう1人の主人公の夏樹くんはとある過去を抱える高校生。
実は、私がこの本を読もうと思ったきっかけがあって、私自身が冬菜と同じ場面緘黙症を患っているんです。だから何か治すヒントになりそうだなと思って読み始めました。もう発症して約10年程経つけれど、未だに治っていません。学生時代、クラスに一言も喋らなかった人はいませんでしたか?それが私なんです。認知度が低いので、人見知りと勘違いされるけど、「喋らない」んじゃなくて「喋れない」んです。
主人公の冬菜はみんなが試行錯誤して理解してくれてたけど、私は中学時代イジメも受けたし先生にもきちんと理解されてなかったと思います。だから、主人公の冬菜が正直羨ましかった。夏樹くんのことを好きって気づいても私の事じゃないよなって思ってしまう主人公の気持ちが痛いほど分かって読みながら涙が止まりませんでした。
だって、今でも私はみんなに「ありがとう」も「ごめんね」も言えなくて友達も居ないから、発症したときからこんな私なんて誰かを好きになる資格なんてないと思って自信が無かった。だから、ある意味読むのに時間がかかった。読むと必ず泣いてしまうから、外では読めないし家でも強がって人前で涙を見せたくなくて場所が限られてて、読みやすいけど、感情を必要以上に揺さぶられるのが怖くてしんどかった。
この世界には私のことを知らない人の方が多いけれど、こんな症状がある人もいるんだよってことをもっと多くの人に知ってもらうキッカケになればいいなと思いました。私には冬菜のような高校生活や青春はもうできないけれど、あと半年で学生生活終わるので、ちょっとでも良い方向に向かうよう日々頑張ります!
当事者から見ても、本当に自分の心を細かく言語化してくれていて「場面緘黙症」を知らない人も感情移入して冬菜の感情をプチ体験できる作品だと思います。
長くなりましたが、考えも纏まらない中溢れる思いを込めて書きました。読んでくださった方は本当にありがとう。いつか、私を知ってる人達にも私の声で「ありがとう」が言える日が来たらいいなと思っています!