あらすじ
19世紀後半に西洋を熱狂の渦に巻き込んだ日本ブーム。そのインパクトは新たな美意識へとヨーロッパ人を開眼させた。印象派の画家たちは浮世絵の表現に西洋絵画の伝統にはない斬新な表現法の可能性を見いだし、色彩法、空間処理、線の技法など、「モダンアート」と称される、現代にまでつながってゆく表現法をその影響の元に生み出した。「近代」の感性を生み出した源流の一つとして、「日本」の存在を再評価する。
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Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 ジャポニスムの「見え方」
第2章 開国のインパクト
第3章 ジャポニスムの媒介者たち
第4章 モノの到来
第5章 「日本」の濃淡
第6章 色彩のジャポニスム
第7章 空間のジャポニスム
第8章 線のジャポニスム
第9章 ジャポニスムの終息
<内容>19世紀後半に欧州で広がった「ジャポニスム」。近年は高校英語の教科書にも載る有名な話だが、これを美術史家の著書がきちんと解析した本。やや回りくどかったりするが、印象派以降の画家たちが、こぞって「ジャポニスム」に取りつかれたことがわかる。巻頭のカラー写真。本文中もふんだんに写真を入れて(本当はカラーが良かったが)、話も分かりやすい。