【感想・ネタバレ】日本野球をつくった男――石本秀一伝のレビュー

あらすじ

石本秀一(1896-1982)は、広島カープの初代監督。カープ草創期は、資金難で球団解散の危機に瀕したが、独特の後援会組織の結成など、資金集めに奔走して球団存続に尽力した。その知恵と行動力で有名だが、それだけではない。大正から昭和初期には、高校野球の監督として、広島商業を三度、夏の選手権全国制覇に導き、またプロ野球に転じては、大阪タイガース監督に就任して、二度の優勝を果たしている。

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Posted by ブクログ

今年の日本シリーズはホークスvsジャイアンツで、地方vs中央という図式なのですが、中央へのコンプレックスをまったく感じさせないぐらいに野球というスポーツは地元密着型コンテンツになっている昨今です。でもちょっと前までは、プロ野球は巨人軍を中心とした、あるいは日本テレビの地上波放送をプラットホームとしたシステムでした。だから、本書のヒーロー 石本秀一なんて知らなかったし、国民リーグなんて正史からも零れ落ちた歴史だったのだと思います。標準語の野球ではなくて、広島弁の野球、大阪弁の野球、博多弁の野球、名古屋弁の野球をよく丹念に拾い上げてくれました!えらいぞ、作者!カープ女子とか言って、広島カープのパワーを最新のマーケティングの成果みたいに語りがちですが、その源は、樽募金に至るまでの石本さんの必死のやりくりがあるんじゃ!今まで知らなかった胸熱の大著でした。野球という月の裏側を見た気分です。

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2019年10月22日

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