あらすじ
「システム」×「現場」×「改善力」から生まれた「誰にも真似できない」IoTシステムで、中小企業経営を救う!
筆者が代表を務める「i Smart Technologies株式会社」が開発した、1少ない初期投資で済み、2古い設備でも導入でき、3導入方法も簡単な「製造ライン遠隔モニタリングシステム」について、
開発のきっかけからシステム成熟過程の詳細、そして本システムが企業全体に与える好影響など、当社の進める「Small Factory 4.0」に関するすべてを網羅した。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
やっぱ今の日本の現状を鑑みると、AI,IoTを普及していくためのデータ取りから取り組んでく必要があるなぁと思った。
ラズパイせっかく買ったしこんな情勢だし動かしてみようかな。
以下、印象的なシーン
・3日前のデータは不要
AIってやっぱ推定器だから、過去の結果を予測するのは簡単だけど未来を正確に予測するのは難しい。こういうことからもデータは新鮮な方がいいよね
・センサーを生産設備に割り込ませない
生産設備のデータを取るために改造して設備が止まってしまうようでは本末転倒。市販のセンサをタイラップで巻きつけるとか見た目は不細工だけど取り外しも簡単だし質に目を瞑ればいろいろ情報は集められそうだ
・IoT化成功のキーポイント
i)明確な目的
とりあえずじゃなくそれを使って何を達成するのか
これはいろんなことに応用できると思う
ii)運用を重視
シンプルでスモールなスタートを切り、現場とのコミュニケーションでより良いものに改善していく
iii)データの種類を適切な規模にとどめる
データが多けりゃいいってもんじゃない。
まさにスパースモデリング
Posted by ブクログ
これまでのシステム開発では食えなくなったSIerが仕切りと「IoT!IoT!」と叫びまくっているせいか、IoTというのはこれまでの基幹系システム等と同じように極めて高額な世界かのように思われている節があるが、様々な市販センサーデバイス、SORACOMのような安価な通信回線とプラットフォーム等を利用することで、IoTは本来は軽微な投資から始められる領域である。
本書はトヨタ自動車の一次サプライヤーとして、エンジンやトランスミッション等の幅広い部品を生産する年商150億円の旭鉄工において、いわゆる生産工場のIoT化=スマートファクトリー化を、極めて少額・軽微な開発から推し進め、飛躍的な生産性の向上を実現し、最終的には中小企業向けのソリューションとして外販による収益化にまで繋げた取組が惜しむことなくまとめられている。
最初はシンプルに安価なレベルからまずは機能を実装してみるだけでも、これまで見えていなかった現場のムダやサイクルタイムのばらつき等が可視化される。それが、従来から生産現場で行われている伝統的な改善の仕組みと結びつくことで、デイリーで少しずつ問題が解決されていくという仕組みは極めて汎用的なIoT化のプロセスとしての学びが大きく、非常に面白い。
個人的にはこういう本を前から求めていた、というくらいワクワクした一冊。