【感想・ネタバレ】随筆集 一私小説書きの弁のレビュー

あらすじ

西村賢太が師と仰ぎ全集刊行に全力を傾ける作家・藤澤清造への思い。異端作家・倉田啓明。平成の破滅型私小説作家を形づくったもの、すべてが込められた随筆集。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

草創の初期から現在に至るまでの随筆集。著者が私淑敬仰してやまない藤澤清造への思いの丈を余すことなく吐露。初期の作品が目を引いた。極めて真面目。新鮮な驚きがあった。悲惨だが滑稽、野暮なんだがスタイリスト。かたくななまでの正義感を己の貫く美学と心得、一歩も引かなかった男。巧みな抽象表現。独特の形容や言い回しなど地口にも通じる上質のギャグ。血と涙だけでなく、笑いのエレメントが全編を通じて横たわっている。著者の藤澤評だが、そのまんま西村賢太自身ではないか。藤澤清造。手にとってみたいと思った。

0
2012年06月29日

「エッセイ・紀行」ランキング