あらすじ
薬の製造を唯一の産業とする島「久寿理島」で、470年間、女子直系一族だった木葉家に生まれた男子・草多は、15の春、その製法が代々受け継がれてきた「気やすめ丸」を万人に効く薬へ改良するため、東京へと旅だつ。薬学学校の私立和漢学園で、充実した青春を送る草多は、ある日、先輩の伸太郎が甲賀流忍者の末裔だと知る。草多は伸太郎とともに、滋賀県の忍者屋敷で今も忍者として暮らす泰蔵じいさんを訪ねることに……。
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Posted by ブクログ
ある日、突然薬草の声が聞こえなくなった草太は、矢野先生に薬草図鑑を渡され、声を聞かなくてもわかりたいと思うようになる。大学入試のための受験勉強もしなければならず、草太は勉強に明け暮れる。そんな中、ついに草太の父親のことが明らかになる。
わからん荘にいる、それぞれの人生が展開していきます。蘭さんの語る話とは。「RDG」(レッドデータガール)のように、もっと読まれてもいい作品なのになぁ、と思います。
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あー、おもしろかった。
この作者は人と違う視点を持っているようだ。
東洋医学、漢方、薬用植物・・・。読んでいて世界が広がってくる。じっくり植物と向き合いたい気持ちになる。
植物の声が聞けたらいいよねえ。
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シリーズ3作目、完結編。
宙ぶらりんなところもあるけれども、謎だった部分が解決し、スッキリした気はする。爽やか・キュンな成長物語でした。
これからまだまだ伸びしろがありそうなのに、これで終わるのはもったいない。残念。。続編出ると嬉しい。
Posted by ブクログ
おわりの感じがしないんだが、どうも3巻完結らしい、わからんシリーズ。
とても誠実に、少年のまっすぐな成長を描いている作品だと思う。あーやっぱまはらさんいいなあ、好きだなあ。でもなんか3巻はあんま起伏がなかったような気もする。竜骨の玉もあっさりみつかったし、なぜか山奥で恋物語が勃発してたり・・・・。ああ、でもあの兵糧丸は食べてみたい。なんかおいしそう。
薬草たちの声が聞こえなくなったときの先生の言葉が印象的。手と目と鼻に知恵をつける。大事なことだよねえ。
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盛り上げる要素も書き込む要素もいくらでもあったのにあっという間に簡潔。面白かったからこそもったいない。父親の話も唐突に終わってしまって、あれだけ引っ張ったのにな。もっと詳しく読みたかった。
Posted by ブクログ
話のボリューム的には2巻が一番充実してた
そりゃそうだとは思うけど、新気休め丸が完成することはなく
不老不死の話、正太郎の一族の話になるのかなと思ったけど、そこまで言及されず
久寿理島の話ももっと欲しかったな
蘭さんの過去、草多の父親は判明したけど、もっと続きが欲しくなる終わり方
Posted by ブクログ
児童書だけど.
とオススメしてもらった本.
子供向けなストーリーではあるけれど.
さらっと触れる 薬草の説明が興味をひいてついつい調べたくなった!
昔の人?の薬草も漢方もハーブとの関わり方とか.
忍者の兵糧丸とかちょっと作りたくなっちゃった!
.
私にはどんな能力があるんだろう??
Posted by ブクログ
えっ「完」……?
「完」…………⁉ばかな……???
……!
『わからん薬学事始』!
「事始」だもんね!!!「事納」もあるよね!!!
そういうことか!ああびっくりした。
Posted by ブクログ
伸びゆく力
シリーズ完結編。
本作では草多の父が判明する。
そして、薬草の言葉がわからなくなるのと引き換えに、これまでと違うものの見方ができるようになる。
化学的に作られた薬とは違って、薬草は効き目が緩やか、私自身もずっとそう思い込んできた。
しかし、よくよく考えれば皮膚についただけでただれるもの、人を死に至らしめるものなど数多く存在するのだ。
そんな当たり前のことを忘れて人工のものの方が怖い、などと考えていたなんて!
おいしくて健康にいい山芋だって、ずっと触っていると痒くてたまらない(だから料理の時はビニールを手に巻き付けてすりおろす。そこまでしても好きなのだ)。
酢で洗って痒みがとれるとはいえ、ちくちくする感じは長く残る。
植物の効能のは表裏一体だということを、改めて感じさせられた。
本作では、初心に返るということが主題になっている。
突然なくなってしまった自分の力。
そのとき草多は、どうして己が進んできた道を選んだのかを思い出す。
そして周りの人間たちが特別優れているように思えても、実は彼らだって自らの才能に甘んじていたわけではなく努力を重ねてきていた、ということに気づくのだ。
困難にぶつかった時こそ見える自らの方向性。
切磋琢磨していく仲間の大切さ。
草多はまだまだこれからだ。
だからこそ伸びゆく力を感じ、それに心を動かされる。