あらすじ
俺は自分が嫌いだ。ズルい自分を変えようと決めたそばから、イジメを見て見ぬふりするような弱虫だから。俺に本当の仲間はいるのか?誰が自分を信じてくれるだろう。ままならない家庭の事情やシビアな友人関係に翻弄されながら、生きる上で大切なものを手にしようともがく少年の、葛藤と前進を描いた感動作。
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Posted by ブクログ
憧れとは異なる自分。恐怖に勝てない自分。咄嗟に自分を守ってしまう自分。前言撤回したくなる自分。
主人公の葛藤はわりと身近なものに感じた。積み重なり、弱さが明るみになったときの自暴自棄さ、それでも変わりたいと願った必死さ。
そして、それは憧れた相手、いけすかない相手も同じなのだと思わせてくれる。
弱さゆえの底意地が、個人的にはいいな、と思った。
ただ、冒頭の不良行動が頭に残っていると引っかかって共感しにくいかもしれない。
Posted by ブクログ
弱虫日記というタイトルから想像していた内容とは違い、小学生から中学生になる男子小学生の「仲間」「受験」「いじめ」などの問題を通じて、人間的な成長をしていく。どこの小学校でも起きていそうな日常+αな感じが良い。主人公の母親の豪快なキャラクターも良い。
Posted by ブクログ
親や環境に左右される不条理な世界で、力強く生きる子どもたち。
力関係が大きく作用する関係性の中で、それぞれ悩んだり苦しんだりしながらも、一番大事なものは何か、かっこよく生きるってどういうことなのかを考えている。
子どもたちなりの思いやルールがあって、それを一途に守ろうとする姿にグッとくる。
爽やかな読後感のある本。
Posted by ブクログ
大人に振り回され友達関係に悩まされる少年が、生きる上で大切なものを手にしようとする葛藤と前進を描く長編小説。
足立紳版『スタンド・バイ・ミー』。決して綺麗でもおしゃれでもない、少年たちの成長する過程に共感を覚える。考え方は一丁前の大人風なのに、子供の殻は破れないもどかしさが私たち元少年に必ず身に覚えがあること。その後の彼らが各々どんな姿になったのかが気になる。