あらすじ
総合商社。それはじつはバブル期以降の急成長業界であり、「ポストバブルの勝ち組」である。伊藤忠商事、住友商事、丸紅、三井物産、三菱商事。バブル崩壊以降、五大商社のすべてが、吸収合併もされず、会社名も変わらず、とりわけ2001年以降、利益もバブル発生前の約10倍に拡大させてきた。誰もが知っているけれど、実態はよく知らない総合商社。その本当の姿を知ると、ビジネスの本質も見えてくる!
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Posted by ブクログ
商社業務の不透明さ、わかりにくさを丁寧に紐解いてくれている一冊だった。
この世の中で商社だけがやっているビジネスはほぼない。むしろ、その多様性が商社の強みでもあるというのを、過去の事例をもとに説明してくれている。
商社は両生類(投資会社と事業会社)だという見方も納得できる。商社の仕事を振り返りたいときにまた読みたい。
Posted by ブクログ
商社とは、事業投資と金融投資の両生類であり、どちらかに特化しようと舵を切ると、衰退するであろう、という主張が面白い。
経験からきた新事業への取り組み方や仕事その物への姿勢など、ためになりました。
総合商社の概説
商社とは、事業投資と金融投資の両生類であり、どちらかに特化しようと舵を切ると、衰退するであろう、という主張が面白い。
経験からきた新事業への取り組み方や仕事その物への姿勢など、ためになりました。
Posted by ブクログ
2019年2月14日(木)〜2月19日(火)
日本語: 3冊目 (合計: 3冊)
・三井物産株式会社に以前勤めていた、小林敬幸さんが執筆しているので、総合商社が具体的にどの様な仕事を行なっているのか、順序立てて説明されているので分かりやすい。
・総合商社という業界が、契機により売買仲介型から事業投資型へとビジネスモデルを変化させる経緯と歴史について学べる。1971年のニクソンショックによって、低成長時代に入ると「商社冬の時代」と言われる。1973・1979年のオイルショックにより「資源の輸入から資源の安定的調達」へと機能を変える。また1985年のプラザ合意による、円高の影響で「工業製品の輸出から工業の海外進出支援」へと機能を変化させた。
・ブエノスアイレスでのクレーム対応の仕事に苦しんでいる際に、元を取ろうと、休日にアンデス山脈を旅行したエピソードから、商社で働く人の前向きなマインドが感じられて惹かれた。
Posted by ブクログ
実際に何をやってるか外からわかりづらい総合商社について、過去からの変遷も含めて、具体的に説明をしてくれているので、これから就職を控える学生をはじめ、総合商社のビジネスを理解したいビジネスマンにとっても有用な書。本書では、戦略やトップダウンのリーダーシップではなく、全社の危機感からボトムアップで、ビジネストランスフォーメーションが生まれたと主張してるが、この点は少し疑っている。もちろん、現場の頑張りはあったという前提で、その頑張りをうまく吸い上げて、既存事業推進派との対立の中で、強烈にリーダーシップを発揮して、会社をトランスフォーメーションしていったリーダーないしチームがあったはずで、それは、どんな課題と苦闘しながら、成し遂げていったのかのアナザーストーリーも知りたいと思った。
Posted by ブクログ
今の総合商社が、売上高ではなく、連結利益で商売をしているとは!商社が変化した背景についての著者の分析が面白い。
仕事に行き詰まり感のある僕は元気をもらった。
また著者独自の「おもてなし」の解釈も面白い。
日本はモノづくりを尊重するあまり実は最高品質のサービスは世界に劣るらしい。
Posted by ブクログ
タイトル通り総合商社は不思議だど思った。総合商社の現在の繁栄は、90年代の冬の時代があればこそだとわかった。危機の経験を糧にする、と。
また、総合商社はキメラというのは金言。白黒つけないからこそのビジネス、存在意義があるということか。
Posted by ブクログ
本書全体を通して商社内で昔は売買の仲介ビジネスが軸だったのに対して、今は事業投資が軸になっているとの内容が繰り返されていた。
簡単に言うと、今と昔では常識が違う。
今の「常識」が将来でも「常識」であるとは限らない。
商社業界は冬の時代から先見の目を光らせていた。
それは正しいのか、なぜそれをするのか、考える事を辞めない人が周りとは色の違う特別な存在になれるのだろう