あらすじ
自分をこの世界に連れ出し、すぐに捨てた父親への嫌悪感から9歳の少女るつぼは父親を許さないと決めて生きてきた。だが、そんな二人が期間限定で「親子」として生活を共にすることに。父と娘、家族の再生の物語が幕を開ける――。
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いきなり親子
主人公のるつぼは生まれる前の記憶を覚えている9歳の女の子。
お母さんのお腹の中にいるときはもちろんの事、出産の時のことも覚えている。
出産時母体が危ないと医師に言われた父親が子供を優先してほしいと言ったことがきっかけで無理矢理世の中に出されたと思っている彼女はママを捨てた父親のことが許せないので声は出るけどあえて話さないという事を選択した。
その後母親と死に別れたるつぼは母方の祖母と叔母夫婦の元で育てられる。
しかし祖母の入院と叔母夫婦の旅行によって2ヶ月ほど父親の家に預けられることに。
父親の岩下縞は38歳の小説家。
女性にたいへんモテる彼に彼女を取られ住む所を失い縞の元に転がり込んできた東海林正治と奇妙な同居生活を始めることになった。
世話になるとはいえ縞にまったく心を開かないるつぼをよそにそれぞれ用事があり家を開ける二人。
そんな中家に上がり込んできた女性。
彼女に母親と似た空気を感じたるつぼはその後帰宅した縞によって別れ話にその存在を利用されるのだった。
達観した部分と年相応なところのギャップがかわいい。
親のあれこれは子供の心が荒れると改めて思った。