あらすじ
ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる"問題"はひと筋縄ではいかないものばかり。崩落して誰も渡れなくなった〈どんどん橋〉の向こう側で、燃える〈ぼうぼう森〉の中で、明るく平和だったはずのあの一家で……勃発する難事件の"犯人"は誰か? 超絶技巧がちりばめられた五つの超難問に挑め! ミステリシーンを騒然とさせた好評の作品集が読みやすい改訂新装版に!
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Posted by ブクログ
挑戦状系が読みたくなって読んでみた。
こういう作品とわかって割り切って読んでいるのだから,アンフェア感は一切なし。むしろ真っ向勝負5番という感じで楽しかった。
作者の可愛げが見えて好き。
Posted by ブクログ
「読者への挑戦状」がついている短編5本。どれもいわゆる「犯人当て」のフーダニット。だがしかしそこは綾辻行人なので叙述トリックが仕組まれている。
犯人当てかと思いきや犯人が猿だった、犯犬(人)当てかと思いきや犬の群れに人が混ざっていた、フェラーリと言うからには車だろうと思っていたら馬の名前だった、他殺だと思っていたら自殺×2だった、犯人は作中にいないようでいるカメラマンだった、というオチ。どれも「そんなんアリかよ」というオチだったが、それを作中の綾辻が突っ込んでるのもあり、それ込みで面白く読めた。
Posted by ブクログ
・どんどん橋、落ちた
犯人は猿のエラリイ、登場人物を人間だと思わせる叙述トリック
・ぼうぼう森、燃えた
犯人は人間のタケマル。一作目とは逆で、タケマルがオオカミだと思わせる叙述トリック
・フェラーリは見ていた
フェラーリ=車と思わせる叙述トリック。本当は馬。犯人は元の飼い主鈴木さん
・伊園家の崩壊
かのサザエさんを模倣した作品。個人的に1番好き(こんなサザエさんは嫌だ的な視点から)犯人は不在。笹枝と若菜の自殺。薬をやっているサザエも、下半身がないワカメも、虐待嗜好なイクラちゃんも嫌すぎる。
・意外な犯人
犯人はカメラマンの綾辻行人自身。あとがき曰く、本文中に出てくるU氏は若き日にの綾辻行人のことで、忘れっぽいことを嘆いているが、深泥丘綺談に出てくる40代の綾辻行人は忘れっぽいことを諦めているという差があるらしい。