あらすじ
「貧しい人にふれる時、わたしたちは、実際にキリストのお身体にふれているのです。」カルカッタのスラムの、貧しい人のなかのさらにもっとも貧しい人のためにつかえると誓願して36年――。ノーベル平和賞に輝く20世紀の聖女の素顔と活動を、密着取材による写真と文とで、あますところなく伝える。
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Posted by ブクログ
マザーテレサに魅了された写真家が、数年間彼女を追い続け書いた本。マザーへの畏敬の念と情熱に溢れている。
マザーテレサがどんな人柄で、どんなことを考え、どんな風に生きているのかが非常に分かった。
マザーの周りにいる人たちはどんな人達なのか。
マザーは何を救ったのか。
何よりも悲しいことは、愛に飢えること。
豊かな国日本でも、飢えは確実に存在しているのだ。
この本は、裕福であろうが貧しくあろうが、人として自分には何が出来るのかを教えてくれる。
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本書は、写真家・沖守弘氏(1929~2018年)が、1974年以来取材したマザー・テレサの活動とその素顔を、1984年に数多くの写真とともに発表したもので、46刷(2019年1月時点)となるロングセラーである。
マザー・テレサ(本名:アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ)は、1910年にオスマン帝国時代のユスキュプ(現・北マケドニアのスコピエ)でアルバニア系の熱心なカトリック教徒の両親のもとに生まれた。12歳のときに、神父から、インドには貧しい人びとがたくさんいて、そうした人びとのために働く召命というものがあることを聞いたことがきっかけとなり、18歳のときにアイルランドのロレット修道会に入り洗礼を受け(修道名:テレサ)、1929年にカルカッタ(現・コルカタ)に赴任して修道会の経営する高校の教師になった。しかし、修道会の中の生活に徐々に疑問を感じるようになり、1948年、遂に修道会を出て、カルカッタのスラム街に入っていく。そして、1950年にローマ法王から修道会「神の愛の宣教者たち」として認可を受け、その日からシスター・テレサは「マザー・テレサ」と呼ばれるようになる。その後、「死を待つ人の家」、「孤児の家」、ハンセン病患者の施設などを次々とつくり、その活動が評価されて1979年にはノーベル平和賞を受賞。1997年にカルカッタのマザー・ハウスで亡くなるまで、終生変わることなく、インド(と世界中)の貧しい人びとのために活動を続けたという。
本書を読んで最も心に残ったのは、マザーが繰り返し語る「人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない、自分はこの世に不要な人間なのだと思いこむことだ。そしてまた、現世の最大の悪は、そういう人にたいする愛が足りないことだ」という言葉である。
本書に収録されている写真が撮影されたのは、およそ40年前のインドのスラムであり、そこには想像を超えた貧困が存在する。そうした物理的にも絶望的な状況にある人びとが、社会からのみならず、家族からも見捨てられ、ある人は死を迎え、ある子どもは孤児になる。。。そうした人びとに対し、マザーとその姉妹(「神の愛の宣教者たち」の修道女たち)は、ひたすら愛をもって接するのである。
現代日本に生きる我々は、ここから何を感じ取り、何をすればいいのだろうか。。。おそらく2つあるのであろう。一つは、現代世界を覆う、移民・難民の急増、テロの頻発、それらを背景にした偏狭なナショナリズム/ポピュリズムの嵐の大きな原因のひとつが、世界の随所に存在する「物理的な貧困(格差)」にあることは間違いなく、それを無くす(縮小する)こと。そしてもう一つは、繁栄の中でも、生きる意味が見出せない「精神的な貧困」の問題に対処することだが、いずれも難題である。
一方で、マザーのメッセージはいたってシンプルだ。「自分のまわりの貧しい人たちを愛すること」。。。胸に刻み付けておきたいと思う。
(2019年11月了)
Posted by ブクログ
私が小学生の時、はじめての読書感想文をマザー・テレサの本で書いた。それ以来、もう一度マザー・テレサ関連の本を読んでみたいなーと思っていたので、中古屋で購入。
彼女の生き方に改めて感銘をうけた。
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著者との会話のやり取りにマザーテレサの人となりを見る事ができます。
マザーに質問する内容など、著者が自分の分身の様に感じられてとても読みやすかった。
本当に愛に溢れた素晴らしい人だという事もわかったし、アラ意外と人間味のあるお母ちゃんなのね、と前より親しみを感じられた。
繰り返し読みたいと思える本
Posted by ブクログ
この本が、ワタシのバイブル。
目の前しか見えていないときふと思い出し、マザーを思う。
軌道修正して、また生きよう。自分もきっと、神の手の中の鉛筆。
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著者のライフワークとなった、マザーテレサの取材。沖さんはマザーテレサがノーベル平和賞を受賞して、全世界にその名が知れ渡る以前から取材を重ねていた。時にはキャリアをも犠牲にして… それほどまでに惹きつけられたカルカッタとマザーテレサやシスターたちの活動。全体を通して、活動の信念に触れられると同時に、沖さんの熱い想いも伝わってきて、素敵な読書体験になりました。マザーの活動を始めるに至った覚悟についてもより深く知りたいと思いました。
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聖フランシスコの祈りに、20年以上ぶりに、この人生で再会した。その巡り合わせがとても嬉しい。
暖かく生きたい。わたしのできることを、できる範囲で。
マザーテレサの本を読みたいと思った今の自分が、なんだかとても。とても。好きだ。
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多くの貧しい人や、病気の人のために無償の愛を捧げ続けた、マザー・テレサの生き方に、ただただ感銘した。
見返りなど一切期待せず、全く知らない人にも、ひたすら与え続ける。
なかなかできる事ではないが、自分にできる範囲でできることは何だろうと考えた。
蘇生でも希望でもなく、死を待つ人の家。
どんな人だって、人間らしく最後の時を迎えられる権利があっていいはずなのだ。
Posted by ブクログ
ノーベル賞授賞前からマザーテレサをルポし続けてたジャーナリストの手記で、どちらかというとマザーの教えを説いてるもの。
本に出てきたようなインドの貧しさも豊かさも、マザーテレサが何を目指し何を実現したのかも、自分の目で見て感じないと多分何も分からない。
インドを取り巻く宗教と環境を理解してからもう一度読みたい。
行く前にもうちょいインド関連の本読みたいなー。カーストに関わるものを特に。
Posted by ブクログ
死や孤独を相手にする活動なのに悲壮感がない。
沖さんの素朴な質問に、ウィットに富んだ答えを返すマザー。明るいマザーの人柄と、沖さんの率直な感動が伝わってくる。
1984年の出版で、もう20年前の本ではあるけれど、マザー・テレサを知る入門書として気軽に読める一冊。
Posted by ブクログ
”人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない、自分はこの世に不要な人間なのだと思いこむことだ。”
あ~確かにそうなのかもしれない。twitterで「~なう」っていう表現が流行っていたらしいけど私個人的には疑問に思ってた。あなたがそこにいることを自分が知らない人に配信して面白いのかな~って。でも、きっとそれを知らせて自分が知らない人でも返信してくれたら、自分の存在意義を見いだせて嬉しいのかもしれない。twitterを書く人が返信を期待しているのか、期待してないのか知らないけれど。こう書いても、私はtwitter自体を否定しているんじゃない。有力な情報や、プッて笑っちゃうような「つぶやき」なんかは私も楽しみたいと思うから。
”貧しい人たちはね、お金を恵まれるよりも食べ物を与えられるよりも、なによりもまず自分の気持ちをきいてほしいと望んでいるのよ。”
この言葉にハッとした。募金してお金を恵んだことがある人がいると思う。でも、実際に会ってみないとその人たちの「声」は分からないんだな。
私は沖さんが撮った一枚の写真に釘づけになった。シスターが子どものからだを洗っている様子を撮った写真だった。言葉が出なかった。
主よ、貧困と飢えのうちに生き死ぬ
世界中の同胞のために働くわたしたちを
そのことにふさわしい者にしてください
わたしをあなたの平和の道具としてお使いください
憎しみのあるところに愛を
争いのあるところい許しを
分裂のあるところに一致を
疑いのあるこころに信仰を
誤りのあるところに真理を
絶望のあるところに希望を
闇に光を
悲しみのあるところに喜びを
もたらすものとしてください
慰められるよりは慰めることを
理解されるよりは理解することを
愛されるよりは愛することを
わたしが求めますように
わたしたちは与えられるから受け
ゆるすからゆすされ
自分を捨てて死に
永遠の命をいただくのですから 「聖フランシスコの祈り」
シスターたちの祈りのことば。浪人時代に世界史の先生が朗読してくれたことを思い出した。
インドに行ってみたい。ガンジーとマザー・テレサがいた国。
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キリスト教の精神を掲げて、インドの貧しい人のために奉仕したマザーテレサ。
聖人君子かと思いきや、とっても人間味あふれる魅力的な人だと結うことが分かった。
キリスト教の良い面もわかってとてもよかった。
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不親切で冷淡でありながら奇跡をおこなうよりは、むしろ親切と慈しみのうちに間違うほうを選びたい。飢えている人がいます。でもそれはパンがないためではありません。だれかの”自分”でありたいという思いが満たされない飢えなのです。物の量より愛の量なのです。ノーベル平和賞授賞式にて。私はみなさんが考えておられるような受賞者にはあたいしません。世界のもっとも貧しい人びとにかわって章をうけました。私には、受賞の晩餐会は不要です。どうか、その費用を貧しい人たちのためにお使いください。いい話。よい話。心がすうっとキレイになる。これに遭遇する度に読書をしていてよかったと思う。
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まだ無名だった頃からマザー・テレサの活動に密着取材を行って
いた日本人カメラマンによる著作である。
路上に捨てられた子供の施設、誰にも看取られずに死を迎えようと
する人には死を迎える為の家を、そしてらい病患者とその家族には
自立しての生活が出来る村を作り、インドの最も貧しい人たちの
救済活動に一生を捧げたマザー。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心」。
誰にも必要とされていないと感じている人々に、底なしの愛情で
接するマザーとシスターたちの活動が文章と写真でつぶさに綴られ
ている。
ノーベル平和賞の授賞式には普段のサリーとサンダル姿で出席し、
晩さん会の費用は貧しい人々の為に使って欲しいと要望する。
法王から送られた高級車・ロールスロイスもマザーにかかっては
施設運営の資金の元だ。
この車を商品とした宝くじを売り出し、売り上げで新たな施設を
運営する。反面、報告書の作成に時間を撮られるのがもったいないと、
インド政府からの資金援助は一切受け取らなかった。
マザーを中心にその活動に従事するシスターたちには、本当の「無償の愛」
が溢れている。
生きながら「聖女」と呼ばれたマザー・テレサ。1997年9月5日永眠。
死後、異例の速さで列福される。
彼女が与え続けた愛は、無限で無償だった。
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自分の生き方について考えさせられた本。大切な物・事は何だったかを思い出させてくれる本。
2010年6月著者の講演会があって、本にサインしてもらいました♪
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“女性学演習”のレポートは、【マザー・テレサ】について書きました。マザー・テレサを詳しく知らなかったので少しでも詳しくなれたような気がします。マザー・テレサに興味のある人は読んでみてね☆
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マザーテレサ知ってはいたものの関連の本に触れることなくいました。実際のマザーテレサの言葉や写真をみて、大きな愛に気づかされました。この本を通じてたくさんの人に平和と神の祝福がありますように。
Posted by ブクログ
マザー・テレサの活動。
いつからこの人生を歩み始めたのか、というのも
さらっと書かれていますが、メインは活動内容。
にっこりと強引に、けれど誰も不快に思わない状態を
作り出しているのはすごいな、と。
宗教だろうが何だろうが、大事なのは人の命と尊厳。
ごく普通の基本ですが、しっかりしておかねば
いけない所です。
Posted by ブクログ
家人に勧められ手にとることになった。
たいへんシンプルなドキュメンタリーであり、マザー・テレサのものすごくシンプルな生き方が描かれている。
マザー・テレサは1910年に旧ユーゴスラビアに生まれ、1979年ノーベル平和賞受賞、1997年に逝去、本著者は2018年に逝去されている。
「Poor is Beautiful」、抗いようのない貧困、苦痛と死、その状況の中でわずかでも光明を得るための、また、そのような状況に対峙するための心のコーピングを見出し、そして行動でも実践してみせた不屈の精神がすごい。
ノーベル賞など他人によって評価され。聖人に祭り上げられることで、尊い想いが色褪せてしまわないように。
Posted by ブクログ
愛の反対語は憎しみではなく無関心である。マザーテレサを取材した日本人カメラマンが書いた本。
マザーテレサがアイデアマンであったり、お茶目であったり、慈善事業家ではないっと自分で言ったり、人間の汚さを知ってたり、誰かに必要とされたいって心を知ってたり、そんな姿が予想外だった。
そんな彼女の言葉。
「人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない、自分はこの世の中に不必要な人間なのだと思い込むことだ。そして最大の悪は、そういう人たちにたいする愛が足りないことだ。」
そしてメモ。
Hungry is beautiful.Hungry gives you a dream.
Hungry lets you know love.
So,Stay hungry, stay foolish.