【感想・ネタバレ】捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読むのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月01日

 私も金融機関にいたし今も「金融機関にどう説明するか」が仕事上で大きな割合を占める。
 
 金融機関の貸し出しが増える道筋のルートP(拡大期にあてはまる。自行の論理優先、担保・保証付き)とルートR(縮小期にあてはまる。顧客の論理優先)はまさにその通り。

 この本のボリュームと内容の濃さは金融解説本...続きを読むの域を逸脱しビジネス書として見ても十分なレベル。見えないものを指標とする、共感をもとにした顧客との関係構築、など金融機関でない業態にも当てはまる。

 今や企業としての金融機関、人材としての金融機関職員は状況の把握、分析、対応策のアドバイスというところで周回遅れの場所にいるのではないか。一方の当事者である中小企業は日々革新をし、進歩、進化し続けている。その中小企業の命運はその人たち、その金融機関に握られている形。このまま金融機関に大きな変化がなければ中小企業側は銀行抜きで成長できる方策を探し、そのニーズに気づいた人や組織がそれに応えるサービスを提供することになるだろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月17日

金融機関の審査。昔から言われているように目利きの世界だけど、いつしか金融機関はこの力を失ってしまった。それは前から言われていたことで、でもとても大切なこと。確率論はあくまで過去を語っているにすぎないから、それで未来は測れないというのは説得力はあるけど少し違うなと思うところもある。確率というか統計なの...続きを読むだけど、デフォルト確率の推計は過去の実績から求めるものだけど、その会社の過去ではなくて、過去の同様の会社が1年後にどうなっているかの推測。良くなる会社も悪くなる会社も、個別にはいろいろだけど、也で行けばこういう確率でこうなるというだけの話。VaRなんていうのはもっと確率的な話で、もちろんリーマンショックのようなジャンプは予測できないけど、これも也で行けばこのくらいの確率で、これだけのリスクがあるというだけの話。VaRはむしろ身の丈に合った商売をしましょうというだけで、否定されるものではないと思うけどな。だけど、デフォルトする確率が高い会社が本当にデフォルトするかは別の話。個別に内容を見て、新しい取り組みとかそういうのを見るのが目利きの力。それはご指摘のように否定するものでも何でもなくて、本来そういう目利きの力を持つべきなのは誰も否定しない。でも、商業銀行は預金を預かっているという特性上、過度なリスクをとって自分たちが破産してはいけないことも事実。バーゼルとか金融検査マニュアルとかが生まれた背景はきちんと抑えないといけない。目利きだって失敗はする。また失敗を全くしないような目利きも意味がない。ある程度のリスクを取る以上、体力に見合った範囲でというのは絶対に必要なことだと思う。

あと、アリペイとか、これはキャッシュレス革命ではなく信用革命だといっていた。これは本当だし、こちらの方がこれからの情報社会では重要なことなのだと思った。

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