【感想・ネタバレ】ココ・シャネルの真実のレビュー

あらすじ

トップブランドを一代で築き、19世紀的価値観を破壊した「皆殺しの天使」ココ・シャネル。虚実ない交ぜに語られてきたその生涯に、名物敏腕特派員が迫る。出自の謎、数々の愛人たち、ベル・エポックと事業の成功、大戦中の対独協力疑惑、そして戦後の復活……。激動の20世紀史そのものである「革命家」の歩みを、綿密な取材によってたどる、本格現代史ノンィクション!解説:鹿島茂

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Posted by ブクログ

CHANEL と言えば世界中で知らない人がいない高級ブランドだが、その生みの親 Coco Chanel の人生については実はまったく知らなかった。コルセットと装飾過多なドレスから女性を解放し、自由で自立した女性に相応しい動き易くかつエレガントなファッションを提案して、かつ自らもそのような新しい女性像の具現であったシャネルは、しかし、虚偽の出生を語り、第二次対戦時の対独協力疑惑から逃れるために 15年に亘って隠遁するなど、波瀾万丈の人生と恋愛遍歴を持つ。そんな彼女の人生を、日経新聞に調査報道として連載した記事をもとに編集したのがこの本…なのだが、この著者、調べたこと、知っていることは全て書かないと気が済まないらしく、話が本質的でない枝葉に迷い込むこと頻々。もう少し整理された彼女の伝記を読みたいな。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

 1883年から1971年。二十世紀、第一次、第二次世界大戦と怒涛のような歴史のうねりの中を力強く生きてきた、抜群のセンスを持つ女性の物語だ。シャネルに関しては何度も本や映画でその生き様を確認してきたが、この本ではシャネル本人よりも、彼女が生きた時代や周辺の人たちにスポットを当て、深く掘り下げている
 生まれた町ソーミュールのこと。生まれた時代の女性の地位。オーバジーヌの孤児院から寄宿舎のあるムーランへ。カフェ通いから最初の恋人エティエンヌ・バルサンとの出会い。ロワイヤリュでの生活、そこにある「コンピエーヌの森」では独仏の休戦協定の調印式が二度行われている。一回目はフランス側の勝利として(1918年)、二回目はドイツ側の勝利として(1940年)。「慈善バザー」という火災事件(1897年)を題材にした小説からその時代のファッションのあり方。そして開放的なシャネルの服が取り入れられていく経緯など歴史のお勉強も兼て二十世紀と彼女の一生を読ませてくれる。
 解説を読み、著者山口昌子氏が産経新聞の優秀な特派員だと知り、その調査力に納得した。

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2016年08月11日

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