あらすじ
柔一(じゅういち)、愛称ジャック。強くなりたくて入った剣道部だけど、県下屈指の強豪校だから稽古の厳しさはハンパないし、補欠だ。ある日、ミチオとショーケンがやってきて言った。「ドラムを叩かないか?」え? なんでおれ? それから、学園祭を目指し、ビートルズまみれの日々が始まった。ぐっとくる青春音楽小説。
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Posted by ブクログ
しばらく重い感じのミステリが続き、少し軽い感じのものが読みたいな〜と思って手に取った本作。軽快でさわやかな内容で、目論み通りな読後感に非常に満足。
僕自身、音楽はよく聴きますが、ビートルズはあまり聴かないので、本作の登場人物がビートルズの曲にアツくなって興奮する有様に、ちょっとノリ切れなかったりしました。けれど、楽器には未経験だけど必死に責務を果たそうとするベースのアッホとドラムのジャックの姿に、惹き込まれずにはいられませんでした。
本作のクライマックスと思われた学園祭のシーンが本の半ばあたりで出てきたので、この後どうなるんだ?と思いましたが、その後まさかの中心メンバー離脱にちょっぴりショック。前兆はあったといえ…ね。
そんな困難を乗り越えての、本当のクライマックス(卒業式)はちょっぴり感動モノで、読みながら涙がチョチョギレそうに…自分の空しかった青春時代を思うと、羨ましさもあって感無量。満足感は得られつつも、もうやり直せない過去に寂しさを感じさせられるような、そんなアンビバレンツな感情を刺激させられる青春小説でした。