【感想・ネタバレ】発達障害の子の「イライラ」コントロール術のレビュー

あらすじ

イライラは、対処の難しい感情です。とくに発達障害の子の場合、ほかの子にとってはなんでもない場面でいらだちをつのらせ、手がつけられないほど爆発したりもします。そのような生活が続くと周囲から嫌われ、孤立していきます。そんな事態にならないように早期の対策が必要です。本書の「親子でいっしょに考える形式」でイライラ対策に取り組みましょう。初級→中級→上級と3ステップで紹介します。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

良書 また再読したい

著者は有光興記先生
駒澤大学文学部心理学科教授であり、
カウンセリングオフィスせたがや所長をやられている
臨床心理士である。
 
本書ではイライラが消える方法を
大きく3ステップで紹介している。
・いらいらが消える3ステップとは
  初級、中級、上級のステップ
   初級:こどもの言い分を黙って聞く
   中級:「怒った結果」を親子で考える
   上級:イライラが小さいうちに対処する
      ※ここから始めたがる人が多い。
       場当たり的な対応になりがち

認知と行動に関して
小学校で起こりそうな例を挙げて
改善していく様子が紹介されている。

ASD,LD,ADHD向けの子供本となっているが
大人でもためになる本である。

-----------------
この本を読んで、明日から以下に気を付けたいと考えている。
・怒りと向き合う言葉を持つ
  「自分の中の天使と悪魔なら。。。」
・怒りを鎮める言葉を持つ
  「怒ると損。時間もお金の信頼も失う。」
・気が楽になるセリフを持つ
  「自分なりにできた、怒るほどじゃない、
   わざとじゃないかも」
・子供への対応として、
   大原則は待つこと。
   そして共感し、復唱し質問する。
--------------

以下は私のメモである。(ネタバレ)
★は重点項目
P6:どうしていらいらするのか
  ただ単にイライラしているわけではない
  自分の考えや感じ方が理解されていないことに
  傷ついて、反発している

P22:発達障害の子はいらいらしやすいのか
  NO
  周囲の支援環境による。
  周囲の理解が得られなければ、イライラするのも
  当然である。

P26:かぞくのアルバムを見る
  アルバムでなくてもよい
  リラックスの方法の一つである。
  
P32:親のイライラが子へ伝搬
  イライラは伝搬する
  いいところに目を向けると
  イライラが減少する

P36:気をそらす方法
  イライラへの対策
   出来事への考え方を変える。
   など
p46:発達障害の子の感じ方
  一般常識の基準を押し付けず、
  その子と向き合うこと
 
P54:あせらずに諭す
  社会のルールをきちんと教える。
  ただし、子の言い分を聞くこと
P66:子供のイライラ自覚度
  チェックリストがある
  ※自覚できていない子が多い
   イライラしやすいと思っていなかったり、
   イライラして当然だと思っている

P75:天使と悪魔
  怒る以外に何ができたか、代替案を出す
  天使と悪魔のイメージを持つ★
   悪魔はおこっていて
   天使なら・・・
 

P90:行動パターンを一つだけ変える
  同じトラブルの繰り返しを防ぐための方法
  
P94:怒りをしずめる言葉を持つ
  怒ることは自傷行為★
  怒ると長引き損をする★
   お金も時間も信頼も
  など

P96:大爆発がほとんどなくなる
  対策によって、怒りの導火線を
  長くすることができてくる。

コラム
P24:こどもの怒りを誘うセリフ
   「しらないよ」★言いそうなので注意

P40:気が楽になるセリフ
   自分なりにできた  
   怒るほどじゃないかな
   わざとじゃないかも 
   ★参考になる

P60:言い訳を聞くセリフ
   大原則:待つ★
   加えて、共感、復唱、質問する★
    うん・・・(間を置く)
   
P78:怒りと向き合うセリフ
   原則:理想より素直な気持ち★
   ヒーローなら~と考える★
   これすごい。。考えたことなかった!

P98:怒りを消すセリフ
   原則:今の自分を肯定する
    努力を肯定


近年は発達障害という言葉の認知度もあがり
子の困り感をわかってくれる周囲の大人も増えてきたかもしれない。
しかし、依然として知られていないこともあるだろう。
一色単に、ADHDだから。。。とか、ASDだから。。など系統でわけられるものではない。
一人一人の子と向かい合うことが大事だということを
端的にまとめてあり、小学校での事例などをわかりやすく記載してある。
なかなか実践は難しいであろうから、何度か読み直したいと感じた。
★5つの評価です。  

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2021年01月14日

Posted by ブクログ

悩んでいるので、読んでみた。まずやるべきこと、ただ気をつけなくてはいけないこと、怒り、発達障害に関する基礎知識のバランスが良くとれていて、大変に参考になった。

0
2017年03月07日

Posted by ブクログ

2015年初版なので真新しくはないし、薄くてイラスト多めだったが、中身は充実していると思う。
まずは親がイライラと向き合う所から始まるのが好感を持てる。具体例と共に対応が書かれているので、全て覚えなくても都度必要なページを読むのも良さそう。
私は子どもの福祉に携わっているが、繰り返し読んでおきたいと思った。

0
2021年08月13日

Posted by ブクログ

問題行動の絶えない子供は、いったいどんなものの見方・考え方をしているのか?

定常発達した人の思考回路では到底理解できないからこそ、子供の言い分をとことん聞いてあげて彼らの思考プロセスを理解することから始めようというのが、本書のアプローチだ。

しかし、問題行動を取った子供は嘘をつき通そうとするから、本当のことを聞き出すのは難しい。そこについては、具体的な解決は示されていない。

この手の子供は、「相手の気持ちを読み取るのが苦手だから、疑われても平然としている」と書いてあるが、本当にその通りで、嘘がバレても相手の気持ちを察することができないから、すぐバレる嘘も平気で口にする。

だから、子供の言い分を最後まで聞いてあげられなくなるのだが、その解決策までは踏み込んでいないのが残念だ。

0
2021年08月15日

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