あらすじ
女子高生アイドルはなぜ東大・京大生に勝てたのか? NHKの人気科学(?)番組で活躍するカリスマモデル・すイエんサーガールズ。アイドル・女優もこなす女子高生たちが、知力を競い合うガチンコバトル「知力の格闘技!」で東大生や京大生に圧勝した。真の「知力」を身につける思考法とは? 「すイエんサー」の生みの親にして、『論文捏造』で科学ジャーナリスト大賞を受賞した敏腕プロデューサーによる渾身の書き下ろし作品
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Posted by ブクログ
‹内容紹介より›
この番組の特筆すべきルールなのだが、すイエんサーガールズたちには、台本もない。打ち合わせもない。すべてが「ガチンコ」で進行していく。つまり、彼女たち自身が自らの力だけで考え、本気で解き明かそうとリアルにチャレンジしているのである。テーマがテーマだけに、当然、簡単に答えが見つかるはずもない。そのために、ひたすらグルグルと考え続けることになる。学校で学ぶのとはまったく異なる頭の使い方を、とことんしていくことになる。こうした、無駄にも思えるような、なんとも徒労感を伴う右往左往していく思考のことを、私たちは「グルグル思考」と呼んでいる。すイエんサーガールズは、番組のロケを通じ、日々、「グルグル思考」し続けてきたのだ。そう、「すイエんサー」とは、この「グルグル思考」を鍛えるための、科学(?)エンタメ番組なのである。そして「グルグル思考」を鍛えた先には、必ず、思考力、発想力、実践力を束ねた生き抜く力、すなわち「知力」が身に付いているはずである。
‐「はじめに」より
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NHKの番組、「すイエんサー」に出演している女子高生アイドル「すイエんサーガールズ」が、日本の知の最高峰、東大や京大の学生と”知力対決”を行い、まさかの勝ち越しを達成した。
その勝因とは何だったのか。
旧帝大のエリート集団には学力や知識では到底及ばない彼女たちの「強さ」とは。
それは、番組の「グルグル思考」で鍛えられた”7つの力”であった。
疑う力/ずらす力/つなげる力/寄り道する力/あさっての方を向く力/広げる力/笑う力
わからないことにぶつかったとき、「いかに自分の施行を柔軟に、たおやかに、広げていくことができるか。あえて直線的に考えず、いかに自分の思いをずらして、幅を広げた捉え方をしていくことができるか」。
このことが問われる現代に、まさに必要な力なのである。
さらに、「本質をつかみ取ること、そして、その本質と共通するものをとらえること」を指す”つなげる力”などは今の時代に欠かせない。
さらに、課題そのものを疑う「あさっての方を向く力」も重要だ。「なぜ、足の小指をついつい角にぶつけるのか」という疑問に対して「そもそも、そんなにぶつけているものだったんだっけ?」と疑うことも必要になる。
小学生から「成績トップ」であったであろう、日本の教
育システムの「成果」である旧帝大の学生やエリート社会人たちに女子高生アイドル(学力はそれほど高くない)が課題解決において勝利する、ということは見過ごすことはできない。
その原因について、しっかりと考察し、これからの教育に生かす必要があると強く感じました。
理系を目指している学生だけでなく、すべての中高生に身に着けてほしい「考える力」。
学生だけでなく、教育に携わる人にも読んでもらいたい一冊です。