あらすじ
今の彼の将吾は元カレと違って自分勝手ではないし、セックスも優しくて、料理が上手。でも将吾と付き合ったのは、元カレと顔が似ているから……(「あなたモドキ」)/四年間セックスなし。いまやヴァイブレータが友達の私、浩未、33歳……。(「ヴォルフガング」)など、リアルな女の性と心を描いてきた著者による、「わかるわかる」満載、ドキドキ満載、美しくリアルなエロチカ短編集。甘くて苦い大人の恋。
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読みやすい
女性だけでなく男性も読みやすい恋愛・官能短編集です。
また、ミステリーで見られるような、仕掛け(どんでん返し)ベースでストーリーを作っていると思われる話もあり、そういった所も読者を退屈させません。
一人称も三人称も上手く、筆者の技量の高さが窺えます。
難点としては、個性的なキャラクターが魅力的なのですが、同時に感情移入のしにくさに繋がっていることです。
総評は「比較的、人に薦めやすい官能小説」です笑
Posted by ブクログ
蛭田さんの描くエロさのなかにある毒々しさがツボ。
たとえば一番初めの短編・あなたモドキ。元彼(実際はやり捨てされただけの元彼でも何でもない男)の顔に似ているからというだけの理由で付き合っている今彼。優しくて料理も上手い。そんな素敵な彼は実は裏の顔があって、超束縛男。束縛を表立ってすることはせず、彼女に高カロリーな食事を与え太らせ醜い姿にすることで誰にも近寄らせはしないという計画を企てているような腹黒男だったーーとか。
バイブに名前つけたりとか、いろいろシュールだったりするところが好き。
表紙がエッチすぎてカバーなしでは持ち歩けないね、、
Posted by ブクログ
密やかで、秋の夜長にこっそりどきどきしながら読む。
女性のきもちがここまで赤裸々に書かれていると、胸が締め付けられる。
蛭田さんの作品は追い続けるわ。
匿名
個性強い
官能色が強いので、ただ可愛らしいだけのものを求めていた自分には合わなかった。
でも華やかで聡明な文体は素敵だし、誰も扱ってこなかったようなネタを見つけ出して物語に作り上げる力がこの作者にはあると思う。主人公たちの奔放な行動や嗜好には共感できないが、不思議と親しみが湧いた。
Posted by ブクログ
随分とまあ、官能的。
よく見たら表紙もずいぶん色っぽい。
6つの短編小説はどれも、同年代の女性が主人公ながら、微妙に感情移入できない。
すごく、おしい感じはするのだけど。
誰も彼もが性に奔放。
思うがままにすべてをさらけ出せるのは羨ましい気もするけど、実際そんな風に生きると「ストロベリー・イン・ナイトメア」にも書かれているとおり、見下されてしまうのが現実。
いっそ開き直ってこんな風に生きたら、とてつもない開放感なんでしょうか。
短編集は、元カレとそっくりというだけの理由で彼と付き合う女性だったり、恋人に風俗嬢をプレゼントして、自宅からこっそり覗き見る女性だったり、なんとも突飛。
それでいてみんなしっかり恋愛していて、その逞しさに惚れ惚れしました。