あらすじ
団地に住むショウタと親友トモヤ。部屋に籠もって本ばかり読んでいるトモヤの奇妙なつくり話が、ショウタの目の前で現実のものとなる。残酷な"子どもの王様"が現れたのだ。怯える親友を守るため、ショウタがとった行動とは? つくり話の真相とは? 『ハサミ男』の殊能将之が遺した傑作をついに文庫化!
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Posted by ブクログ
凄い小説だった。
殊能将之の子供向けレーベルのために書かれたミステリー小説。
本格ミステリのつもりで読んでいたが、素直に読んだだけでは、どこが本格なのか分からなかった。多少のモヤモヤ感も残ったし。
しかし、それは自分が大人の視点で読んでいたからであって、子供の視点で読むと、しっかりとした本格ミステリとなっていたことに驚き、モヤモヤ感がなくなった。
子供にとっては本格ミステリ、大人にとってはサスペンス小説となるような手法で物語を作り上げたことに驚愕。
Posted by ブクログ
殊能将之の作品の中では非常にストレートで少年少女向けにふさわしいような物語に思えた。
ショウタが子供ながらに善悪がわかっていないところや、純粋に友達を助けたいと思う気持ちが伝わってきて面白い。
とても良かったし、王様の正体やトリックじみた箇所の云々では無いと思う。
Posted by ブクログ
子供の頃に読んでいたなら犯人はすぐに分からないけれど大人になって読み直すと犯人はすぐにわかる。
時間差ミステリという解説を読んで確かになと思った。
Posted by ブクログ
「講談社ミステリーランド」で刊行されたものを文庫化したもの。今作は非常にわかりやすく少年少女向けミステリとなっている。他に「講談社ミステリーランド」で刊行された作品は「これは子供向けじゃねぇ!面白いけど!」という作品が結構あったように思うがこの小説は正しく少年少女向けミステリ。だがそれでも大人が読んでも十分に楽しめる作品でもある事にも間違いはない。
Posted by ブクログ
大どんでん返しもなく、子どもの読み物にしては…情操教育的には…どうなんだろうというラスト。だって、これって、本人は良かれと思っても、少年院レベルでは…。途中までは冒険活劇で、友を救うヒーロー物かと思わせておいて…。
Posted by ブクログ
子どもの王様の正体は解説の通り割れやすく、そのためかミステリとしてでなくジュブナイルとして読んだ。小学生間の力関係や大人との距離感、クライマックスの対決とその後の顛末、ショウタくんの成長は子供と自分では読後感が全然違うのだろうなぁ