あらすじ
認知症を"救い"の視点から見直す。2025年には730万人に達する可能性があるともいわれる認知症患者(厚生労働省調べ。最多の場合)。『救急精神病棟』『脳を知りたい!』で知られる著者が、重度認知症治療病棟のお年寄りたちに長期間密着。この難病をまったく新しい角度から見つめた画期的なルポ。
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Posted by ブクログ
筆者は老人介護施設や精神病院などに、取材をお願いして、長い時間をかけて、入居者と共に時間を過ごし観察した。認知症と今では言われるが、痴呆と呼ばれ、まだ理解もされない時期から長い観察はその個性あふれる症状と患者さん個々の持つ、いわゆる健常状態であった時の人となりも、家族に取材したり、介護職員にも取材したり、自分自身も当たり前に感じてもらえるほどの長い時間をかけ、患者さんの信頼もえ、人間性を掘り下げる。ほとんどが、別人のようになってしまうからこそ、普段の生活ができぬようになり、家族の手を離れることになった。だが、別人格と見えるようでも、実はその人が持つ価値観や人生への立ち向かい方、大きく影響する不幸。一人一人が全く違う症状は認知症のある時期から破滅的になったりするが、そこも越えて認知症が進行すると、がん患者同様末期は、穏やかな静かな時間と空間に住むかのように変化する。