あらすじ
よくキレよくムカツク現代人にレッドカード。インターネットやケータイが普及し、IT化が極端に進んだ結果、ストレスは高まり、他人の目が気になり、イライラが募っていく。他人との関わりが激変し、ネットに縛られた新しい世間が幕を開けた。IT世間はなぜ誕生したのか、日本人の行動に異変が生じたのか? 気鋭のサル学者が現代人を鋭く分析した新しい世間論。(ブルーバックス・2006年8月刊)
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Posted by ブクログ
携帯を持つサルなどで知られる著者の最新の本
携帯の話の続きと最近の若者についてかかれて書かれています
携帯を持たなければ落ち着かない日本人、電車でも携帯をいじりまくる日本人、誰かと繋がるために携帯を話さない若者
などの精神について分析している。
特に面白いと感じたのは、キリスト教徒のように、自分と他人との境界をしっかり区別しているにに対して(自分と神とを区別している。また個人を確立している)、日本人は自分と他人との区別が携帯によってさらに曖昧化していると分析している点。
講談社新書の『他人を見下す若者』とともにお勧めです。
Posted by ブクログ
内容は人間の先祖がえりというか、サル化のお話。
結局日本人は世間からは逃げられない、というか世間を欲しているということ。
誰かと繋がっていたいのに、それがストレスで癒しを求めているという矛盾。
便利になった反面、いつでもつながっていて、独りになれない感覚。
興味深い内容でした。携帯依存は怖いよね。
Posted by ブクログ
「IT世間につながれた現代人」の思考やコミュニケーションを、「他者」、「世間」との関係に注目しながら分析し、いかに現代日本人が「サル化」しているかを述べたもの。日本人独特の他者との境界をあいまいにしたり、他者を意識してなるべく目立たないようにしたり、といった気質が、IT世界と結びつくことでどのような現象として現れているかといったことが話題となっている。
「『情報の共有』自体を共有することにコミュニケーションの重きが置かれている」(pp.36-7)など、おれの周囲にもそういう人たちがいる&いたなー、ということを実感させられる部分が少なくない。そういうおれも高校3年の時に、卒業する時にケータイがないと、メアドが交換できず、もう友だちと会えなくなるのではないかという不安感で、何とかバイトしてケータイを買って安心感を得たという、立派な「現代人」でした。さすがに今は、何日も誰からもメールが来ないからと言って不安だと思うことはありません。けど、確かにケータイのおかげで連絡せずともなんとなくいつも「つながっている」という感覚を持っているので、程度の問題はあれ、おれもサル化していると思う。ほとんどの人がケータイやネットをいじる世の中、もはやこの本で言われていることですらそんなに目新しいことや過激なことではなく、タイトルの割にやや新鮮味に欠ける印象を受けた。(10/07/22)
Posted by ブクログ
著者の、子どもの言語習得に関する著作がよかったのでこの本も手に取ってみたが、サルの研究者であるという専門性はほとんどいかされず、全体を通して、“今の若者は…”という愚痴を聞いている気がした。残念。
Posted by ブクログ
06年の著書を13年に見直してみての感想。
ケータイからスマホ・タブレットに、メール・ブログからSNSに流行は変わったが、現代人がやってることは変わらないようだ。
現代人をITに振り回されるサルと揶揄こそしているが、よくある「昔は良かった」論にもっていかず、淡々と分析している印象。
まぁみんながなんとなく感じてる「あるある」を文章化しただけなのだが。
ただ、ショック死は「精神的ショックで死ぬ」ことでは無いのでそこはツッコミたい。
Posted by ブクログ
ITによって広がった世界は新たなメディアではなく
世間だというのに妙に納得感があった。
面白いけど実証的な内容ではないかなー。
サルの研究から得た知見って、どのくらい人間に応用できるんだろうか??