あらすじ
人魚が暮らすエンゼル島のルーナ姫は、島のタブーにふれた罪で女祈祷師ピョーマの手で島流しの死刑に処される。運良く貨物船に命を救われたのだが、すべての記憶を失ってしまい、さらに不運は続き、奴隷商人につかまり散々な目にあう。その姿を見かけた日本人青年の英二(えいじ)は哀れに思い、ルーナ姫を助け出す。しかし、この出会いをきっかけに、エンゼル島を乗っ取ろうとたくらむピョーマの巨大な陰謀に巻き込まれていくことに……。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT75~76『エンゼルの丘』第1~2巻収録 <初出掲載>1960年1月号~1961年12月号 なかよし連載
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Posted by ブクログ
▼娘⑻に手塚治虫を好きになって貰いたい完全に親のわがままエゴだけど活動の一環。そんなエゴを持つくらいだから、僕は手塚治虫さんが子供の頃からずっと好きです。小学生の頃に「ドラえもん」→「藤子不二雄」→「トキワ荘」・・・みたいな道のりを経て手塚治虫大陸に上陸。小学生高学年から中学生にかけて、丁度時代が「過去の名作漫画をハードカバーで再版して懐かし世代に売る」というビジネスが始まったお陰と、あとは手塚治虫漫画全集講談社の恩恵で、初期SFからアトム、ブラックジャック、ブッダ、火の鳥・・・ほぼほぼ網羅していたんです。どろろ、ワンダースリーは当然のこと、キャプテンKenとかサボテン君あたりまで。
▼というわけで「ふしぎなメルモ」「リボンの騎士」がうまくいったので、「エンゼルの丘」。ただ、これは実は初読でした。少女漫画だからな・・・という偏見があったんでしょう。読んでみて、これぁ、オモシロイ。さすが手塚治虫。
▼謎の島の王女様が、色々あって日本にやってきたら、瓜二つというか割らずそのまんま、というそっくりさんがいて。これが日本のお嬢様。この二人が入れ替わるんです。当然ながら王女さんは陰謀に追われていて、日本のお嬢様にも。恋の行方と重なって、島から日本へと海をかける大スペクタクル冒険ロマン。そして事件の中心主人公は常に少女なんです。これはたまりません。
▼娘に読ませたところ、これが潔いくらいにどハマりしてくれて。この「エンゼルの丘」を換骨奪胎してノベライズした、という青い鳥文庫の「海色のangel」(全5巻!)まで買い与えたら読んでしまいました。2023年は娘が青い鳥文庫で活字本を読むことが始まり定着した1年間でしたが、その大事な一角を担ってくれてました。手塚さん感謝。そういう感謝の意を込めると、満点以上の読書でした。