あらすじ
ヨーガの歴史と思想のすべてがわかる決定版。身体の操作により精神の究極の解放を目指す。悠久のインド文明とともに生まれ、現代セレブたちに愛好されるまでに世界的ブームとなったヨーガ。豊饒にして混沌たるインド思想を通底する特異な身体観とその背景にある哲学的思弁の本質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。(講談社選書メチエ)
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Posted by ブクログ
身体の操作により精神の究極の解放を目指す。悠久のインド文明とともに生まれ、現代せれぶたちに愛好されるまでに世界的ブームとなったヨーガ。豊饒にして混沌たるインド思想を通底する特異な身体観とその背景にある哲学的思弁の本質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。
インダス文明の頃には存在していた瞑想の風習は、やがて侵入してきたアーリア人の信仰にも取り入れられていく。4~6世紀に『ヨーガスートラ』が成立し、ヨーガは体系化される(古典的ヨーガまたはラージャヨーガ)。それは生活習慣や坐方、呼吸を整え、次第に自己の内面へと意識を向けていき、最終的に主客の滅却、心の働きの停止を目指す。13世紀には坐方と呼吸法に重点を置くハタヨーガが成立する(古典的ヨーガの予備段階という位置づけ)。エクササイズ系の現代ヨーガは、このハタヨーガを源流としている。
1970年前後に流行した第一次ヨーガブームは、そのころ活躍したヨーガ師の傾向や当時の風潮も相まって瞑想や精神性を重視するものだった。1990年代、ハリウッドに端を発した第二次ヨーガブームは肉体的要素を重視している。
本書の後半では近現代のグルが詳しく紹介されている。
主な人物は、
・ラーマクリシュナとヴィヴェーカーナンダ
・オロビンド・ゴーシュ
・スワーミー・シヴァーナンダとスワーミー・クヴァラヤーナンダ
・アーナンダ・マイー・マー
・パラマハンサ・ヨーガーナンダ
・マハルシ・マヘーシュ・ヨーギー
・オショー・ラジニーシュ
・バクティヴェーダーンタ・サラスワティーとクリシュナ意識国際協会
・B・K・S・アイヤンガール
・ビクラム・チョードリー
など。
また、著者がシンガポールで受けたレッスンの様子がなんとも大らか(いい加減)で面白い。
Posted by ブクログ
専門的でわかりにくい部分もあったものの、これまでゴチャゴチャしていたヨーガの成り立ちや歴史がスッキリ整理できた。
欲を言えばヴィンヤーサヨーガなどの新しい流派について、もう少し言及が欲しかった。