あらすじ
19世紀フランス、二月革命。そこから人は、超越性に包まれた「世界」から「社会」という概念を生成した。神という超越性に包摂された世界から、社会という観念が切り離されたとき、「社会科学」が生まれた。19世紀フランスに生まれたトクヴィル、デュルケーム、ベルクソンという三者を、ひとつの流れとして読み解く、これまでにない「ユニーク」な思想史! (講談社選書メチエ)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
神なき時代に、人間を保証するものはなにか。最後にはこの答えに辿り着く。とてもわかりやすく良い本だ。半分ぐらいまでは、キリスト教カトリック信仰がうすれ世俗化するなかで立ち現れてくる社会という社会思想史的説明。神がいなくとも同等な人間一般というものを保証するものはなにか、というのが後半。
あのベルクソンをこうも軽く料理してしまう。そのへんに興味がある人がまず気軽に読むのにとても面白いのではないだろうか。ただちょっとかなりニッチな切り口ではあると思うが、それがいいところでもある。
Posted by ブクログ
トクヴィルとデュルケームとベルクソンを繫げるのは珍しい。特にベルクソンの『道徳と宗教の二源泉』を扱っているのがポイント。社会とは人間的超越性なんですね。
Posted by ブクログ
革命以来の個人対国家の二極構造が破綻をきたすなかで、超越的審級に頼るのではなく「社会」という中間的な領域を想定しながら個人の主体性を捉え直した三人の思想家を関連づける試み。前の二人は常道だが、最後にベルクソンをもってくるのは少し強引な気がした。バーター。