あらすじ
「中国の歴史は一代では語れない。この書物は『中原の虹』のすばらしいテキストです。」――浅田次郎。軍閥の長の父、国共合作の立て役者の子。「傀儡国家」=満洲国総理の父、反日活動家の子。「売国奴」と「英雄」の運命を分けたものは何か。運命の地、満洲を舞台に、歴史の転変に翻弄された5組の父子の数奇な生を描く。(講談社選書メチエ)
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Posted by ブクログ
「漢奸」とは、中国人でありながら中国を裏切った売国奴。
近代中国の歴史は帝国主義列強の侵略を受けた苦難の時代でしたが、最後にして最大の侵略者は日本。
日本による侵略は、満洲を巡る攻防だと言っていいでしょう。
その満洲を舞台に、日本に協力して「漢奸」の汚名を受けた五組の父子の足跡を描いています。
張作霖と張学良、張景恵と張紹紀、王永江と王賢湋、袁金鎧と袁慶清、于冲漢と于静遠。
この全員が漢奸だったわけではなく、父子どちらかは英雄とされた人もいます。
彼らは何故「漢奸」に、あるいは「英雄」になったのか?
当時、満洲が置かれた立場、彼らの出自、特に中国人にとっての満洲の捉え方という視点から描かれています。
中華人民共和国成立後は、ソ連の影響も述べられていて面白いです(^O^)
著者の前著『馬賊で見る「満洲」―張作霖のあゆんだ道』と併せて読むのがオススメですw
ニン、トン♪