【感想・ネタバレ】麦の海に沈む果実のレビュー

あらすじ

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。2月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

理瀬シリーズ、色々読んだけど、やっぱりこの学園ものが一番面白かった。
まず、一人称が名前(「理瀬」)なのに、心情が挟み込まれてるのが新鮮だと思った。なのに、第十章の嵐の告発で、ついに理瀬が登場人物から消えたのには驚いた!今まで理瀬だと思っていた「わたし」はいったい誰だったんだろうと狐につままれたような気分になった。
第十三章でヨハンが亜沙美を殺したと告発した場面で、第五章で「13」人目の訪問者が現れた後、「青の丘」は大火に見舞われたとあり、13…?まさかね…と思ってたら、ほんとに亜沙美を殺していた…怖い。「13」に意味を持たせるのもまた王道ホラーな感じで良い。
振り返って読んでみると、伏線とまではいかない色々な意味深要素が散りばめられており、甘美なるゴシックミステリーに浸れる一冊だった。

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2025年09月22日

mac

ネタバレ 購入済み

鏡のない宮殿

一部ご紹介します。
・『鏡のない宮殿』:昔々、ある国で、王家に一人の娘が生まれた。娘は生まれた時から非常に抜きんでて美しかった。
王は娘が自分の容姿に傲慢になるのではないかと恐れた。
それ故、娘が自分の顔を見て自惚れることのないように、宮殿の中から鏡を全部取り去り、顔が映りそうな銀の食器も撤去し、池も潰してしまう。
娘は大きくなるにつれ、自分の顔を見たいと周囲にせがむのだが、
みんな『あなたは醜いのだから見なくていい』と言って誰も見せてくれない。
娘もだんだん、自分があまりにも醜いから顔を見せてもらえないのだと考えるようになる。
ところがある日、行商人に化けた魔女がやってきて、宮殿に入り込むと、姫にいろいろなものをプレゼントした。
暖かい火のドレスを作る靴、涼しい噴水に包まれる扇。そして、最後に袖の中に隠していた鏡を姫に見せてしまう。
魔女は姫に対して、王たちは姫を騙して彼女を不幸にしようとしていると唆し、
姫を外に連れ出して、ろくに外に出たことのない彼女を山の奥に置き去りにしてしまう。
日が暮れて辺りは暗く、寒くなってくる。
姫は魔女がくれた靴を履いて、火のドレスを出そうとする。
すると、靴は荒々しい火を吐き出して、周囲の草に火をつけてしまう。
姫は慌てて噴水の扇を出す。
しかし、今度は強い風と大雨が起きて、姫をびしょぬれにしてしまう。
あちこち逃げまどった彼女は、最後に鏡を出して自分の顔をゆっくり見ようとする。
けれど、その時魔女の笑い声がして、鏡は粉々に割れてしまう。
鏡を割られて山の中で絶望に泣いていた彼女の前に、
一人の漁師の青年が現れた。『なんで泣いているの?』。
『鏡が割れてしまったの』。
『じゃあ、僕が君の鏡になってあげよう』。
二人は一緒になって幸せに暮らす。二人が暮らした森の中の小さな家の柱には、小さな鏡が掛けてあった。
けれど、お姫様は子供たちの世話に夢中だったので、めったにその鏡をのぞいてみようとは思わなかったのだ。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。十年以上ぶりぐらいに再読した。陸の孤島にある学校というクローズドな世界が気に入っていた。ずいぶん年を経て読み返すとこれだけの学生が暮らすのにインフラはどうなってんだ、道がこんな状態で物流どうしてるんだろうと気になった。前はヒロインに傾倒して読んだ気がするのに、今回は死んだ人たちのほうが純粋だったと思った。だから大人になれなかったのなら、生き残った者たちは相当タフなのか。続編を前に読んだときはこの作品とのイメージが合わないと勝手に思ってたけど、合うのかもしれない。続編をいつか再読したい。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

独特な世界観と設定がとても良くて、某魔法学校ホ◯ワーツみたいな世間から隔絶された不気味で美しい学園で次々起こる事件にワクワクして、真相が気になってどんどん読み進めたけど。
それだけに、記憶が戻ってから(というか真相全体が?)あまり刺さらず残念。
最後の最も美しい時間に黎二が言ってた「1番正直なのは聖。あとはみんな嘘つき」は本当だったんだな。

でも、「ゆりかご」としてならこの学園での生活を体験してみたいと思うような魅力があった。

「人間、未知のものに対しては不安になる。」
「情報がないことに対する不安と怒りなんだ。」
「知っていれば人は寛大になれるもの。」

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2025年04月07日

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