【感想・ネタバレ】平泉 北方王国の夢のレビュー

あらすじ

奥州藤原氏の政庁平泉館跡で発見された儀式・宴会用の大量のかわらけ。金、馬、鷲羽の交易で得られた巨富。紛争の調停者として所領支配を保障し、平和の実現をもって家臣団を統合する独自の安全保障体制――。中国大陸までつながる交易網を築き、一宮二十二社制や真言密教など中央の神仏体系を拒否した奥州藤原氏。ヤマトともアズマとも異なるもうひとつの世界を明らかにし、歴史のなかの「東北」を問い直す。(講談社選書メチエ)

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Posted by ブクログ

 近年の相次ぐ遺跡・遺物発掘(2011年世界遺産登録)でその歴史像が塗り替えられつつある奥州藤原氏時代の平泉に関する概論書。平泉政権を「東北の地方政権」の枠を超えた「日本国」から相対的に独立した地域王権として位置付け、その独自の宗教秩序(国家鎮護の顕密体制の拒否)や北方・中国大陸との交易ネットワークの存在を明らかにしている。平泉・奥州藤原氏研究の最新成果を知る上で非常に有用である。

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2015年12月07日

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