あらすじ
本書はわが国を代表する歴史派エコノミストであった著者が、歴代の日銀総裁を通じて、日本の金融政策発展の様相を描き出そうとしたものです。また、原著刊行後(著者没後)の総裁の政策について、鈴木淑夫氏(元日本銀行理事、元野村総合研究所理事長)による補論を加えました。31代29人の総裁がなにを考え、行動してきたか(あるいは行動しなかったか)を知ることで、読者は必ずやたしかな指針を得られるはずです。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
歴代日銀総裁の略歴、施策、成果、分析をまとめた列伝。
川田氏といい人材を広く集めて大切に扱っていたことが分かる。
戦争を挟んでも機構そのものは変わっていないということは日本近代史そのものといえる。
Posted by ブクログ
歴代の日銀総裁についての評論。と言っても内容としてしっかりしているのは宇佐美洵まで(いわゆる高度成長期)で、残りはおまけといったところか。
初版が執筆されたのが1970年代ということもあり戦前についてはかなり中立的ではあるものの、戦後に関しては日銀寄りの評論も多い。まぁ評論した人物が存命中なのだから仕方ない部分もあるけれど…。
それでも戦前の日本金融政策に関しては大筋を掴めると思う。こうして通史を読むと大正時代が第一次大戦の「棚ぼた」を除いてほぼ不景気でギリギリの状況であったことには驚く。あるいはこれも戦争への一因でもあったのかもしれない。