【感想・ネタバレ】私の万葉集 一のレビュー

あらすじ

限りなく尊くまた懐かしく面白い万葉の歌。 詩歌の実作者が書いた『万葉集』の鑑賞。 8世紀後半に成立した『万葉集』は、きわめて難解である一方、我々の心に残る多くの親しまれた歌がある。 その膨大な数の歌を、巻一から巻二十まで通読した大岡信の鑑賞に、日本の美学の起源をみる。 『万葉集』を、現代人が味わい楽しむ「生きた」歌集にするために、現代詩人が挑む。

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Posted by ブクログ

著者が、『万葉集』に採録された歌を紹介し、その鑑賞のポイントをわかりやすく解説している本です。

著者は「はしがき」で、「『万葉集』が現在でも、古典としてのみならず、それほど努力しなくても現代人が味わい、楽しむことのできる「生きた」歌集として私たちの前にあるということは、否定しようのない事実です」と述べています。詩や歌の実作者による『万葉集』の鑑賞の手引きとしては、斎藤茂吉の『万葉秀歌』上下巻(岩波新書)が有名ですが、本書も実作者としての立場から、古代の歌集としてではなく、現代のわれわれにもその魅力を理解することのできる作品として、『万葉集』の歌を紹介しているということができるように思います。

第一巻である本書では、『万葉集』の巻一から巻四までがとりあげられています。です・ます体で書かれており、親しみやすい文章ですが、歌の鑑賞をおこなっている解説文のなかで語釈的な説明を含めているため、読んでいてやや視線が前後します。もっともそのおかげで、著者の解説にみちびかれて一首一首を深く鑑賞することができるような気分になることができたので、個人的にはおもしろく読むことができたように思います。

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2022年08月28日

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