あらすじ
かつて母を奪った病が、姉に遺伝。「いつか自分も……」過酷な運命に追い立てられて、伏見紀人(ふしみ・のりと)の作画ペースは上がる一方だった。そんな中、またもあのカラスが現れる。その口から発せられる啓示とは……? そして夏休みが明けて数日、ついに新作『ファヴェーラからの転校生』が完成。目指すは新人漫画家の登竜門・沢村叡智(さわむら・えいち)賞、果たしてその結果は!!? 希代のストーリーテラーが仕掛ける「超展開」は先読み絶対不可能!!!
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Posted by ブクログ
漫画家志望の高校生主人公、ついに作品が認められデビューへ。一方、運命を司る八咫烏が、意味深な道しるべを示し……という巻。
『ジョジョリオン』同様、ゆったりとしたペースで進行。
しかし、これは丁寧に描いた故の必然かと思う。楽しく読んだ。
どうも年寄りになると愚痴っぽくなっていけないのだが、作品のペース配分について、つらつら考えたので、記そうと思う。
その昔は、15巻以上続けばとんでもない人気作で、必然的にそれは人気があり、また有無をいわさず面白い作品だったのだけど、浦沢直樹の『MONSTER』あたりから、薄めて出してもOKみたいな感じになっている気がする。
編集部との約束で、最後までストーリィを描かせてもらうことになっているのかもしれないが、読者は離れていく一方だと思う。
『青春少年マガジン1978~1983』で小林まことが描いていた通り、ひところは命を削って執筆していて、それゆえ漫画家の寿命と面白さがトレードオフだったことは否めない。しかし、この現状は酷過ぎるよ。
商売との天秤にかけるとき、漫画家のリズムを優先し過ぎて、結果読者をないがしろにしているのだろうな。『君に届け』しかり、『アイアムアヒーロー』しかり、『GANTZ』もそうか。『ONE PIECE』に至っては、見る影もない。ペース配分を間違えた故に駄作になっている作品が散見されてならない。残念。