あらすじ
せつなくも温かい少年少女の成長物語
世界大戦が終わって、少年たちは生まれた。
まだ誰も、そのあと「第二次」が起こるとは知らなかった頃――
ここは第二次大戦前のフランス。
ドイツとの国境に近い町。
いつも明るい少年モモが、あきらめと悲しみにまみれた人々を少しずつ変えてゆく。
彼の笑顔と勇気は町の子供たちを動かし、大人たちの丸まった背中にも、そっと寄り添うのだった。
しかしモモには、ある秘密があって……
差別と分断、見て見ぬふり、忍び寄る不安。
「やがて悲劇を迎える時代」に生まれた少年少女の、切なくも温かい友情と成長の物語。
――誰かの「花」を、踏みにじることなかれ。
描き下ろしカラーイラスト4p収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
生きる希望をくれる作品
やわらかなタッチで描かれた絵柄に惹かれた。暗闇の中に差す、一筋の光のような明るさを届けてくれる温かい物語の数々。気になっているなら、絶対読んだほうが良い!
Posted by ブクログ
時代はナチズムが跋扈した、第二次世界大戦期のことだ。そこでユダヤ人がどんな生き方をしていたかを描く。
アルティストは、芸術家の意味だが、本書ではもう少し広い意味で、人間らしい生き方といったニュアンスだ。
生きづらい世の中で、人と人がどう付き合い、関わり合っていくのか。争いごと、揉め事はすべきではないし、相手を敵視して攻撃するべきでもない。
美しい花を踏まない。どんなに悔しいこと、憤慨するようなことがあっても、人としての一線がある。昨今の悲惨な事件や国家間の争いを思うと、本書で描かれていることを心の片隅に置いておくべきと感じた。
Posted by ブクログ
行間を読む作品。実に趣深いです。第二次世界大戦前、これから何が起きるか私たちは知っているからこそ、彼らの笑顔が刺さります。私もアルティストにならなければ、としみじみ思いました。