【感想・ネタバレ】声めぐりのレビュー

あらすじ

今もっとも注目を集める写真家の一人である齋藤陽道さんは聴覚に障害がある。子どものときから補聴器を付け発声の練習をしてきた(させられてきた)。学校では聞こえるふりをして、休み時間には本に顔を落としていた。子供のときのことを思い出そうとしても、実感となる思い出がない。
でもろう学校に入って手話と出会ってから、世界が変わった。毎日学校に行くのが楽しくてたまらない。写ルンですが流行ると、友だちを撮りまくった。社会人になると、障害者プロレス団体「ドッグレッグス」でも活躍。そして、いつしか写真の道へ――。
手話、抱擁、格闘技、沈黙……ひとつひとつ向き合えばすべてが声になる。写真家は、さまざまな声と写真を通し、世界を取り戻していく。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ことばが、手話が、私たちが生きるこの世界が、愛おしく見えてくる一冊。

ことばが美しく、情景が浮かび上がってきます。

私は手話から少し離れてしまっているけれど、なおも心に焼きついたその美しさが、この本を読んで呼び起こされました。

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2023年07月05日

Posted by ブクログ

私たち聴者が聞き流したり見過ごしてしまうような僅かな変化を丁寧に観察し、「声」として触れあう。
齋藤さんの観察力と、それを言葉や写真にする表現力がすばらしい。
それでいて人の心に寄り添うような語り口に、優しい気持ちにさせられた。
聞こえる私は本当に「声」を聞けているだろうかと考えずにはいられない。

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2022年01月23日

Posted by ブクログ

幸せな思い出も嫌な記憶も、すべてが素直すぎるほどありのままに綴られたエッセイ。
音のない世界で生きる著者だからこそ感じられたのであろう“声”を、私も聴いてみたくなった。
たとえ不器用でもまっすぐに生きることの素晴らしさを教えてくれる作品。

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2021年06月15日

Posted by ブクログ

この方は某生活雑誌での連載を読んで知った。お子さんがメインの連載で子どもと対等なんだな、と感じていた。その後ドキュメンタリー番組を視聴し、手話と写真で思い伝えることにとてもパワーを使われていた。そのあとにこの本を読んだので、思いを伝えることへの情熱の理由が垣間見えたように思う。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

陽道さんの写真に出会えたことが嬉しいし、こうして言葉にも出会えたことが嬉しい。
生きていくこと、そのままでいい。

皮膚と。

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2020年12月05日

Posted by ブクログ

「大切なことは 目には見えないんだよ」
という あの王子様のフレーズが浮かんでいた
ほぼ 同じように
「大切なことは 耳では聴こえないんだよ」
とも 言い換えられるのだ
と 思った

改めて
心で感じることでしか伝えられない
身体まるごとを通して感じることのできる
「声」というものが確かに在る

私たちの言葉は
ちゃんと 相手に届いているのだろうか…

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2018年12月24日

Posted by ブクログ

めぐり、めぐる。

「皮膚の記憶」で終わるのがとてもよくって、とても腑に落ちる。
ほの暖かい何か。

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2018年07月29日

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