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Posted by ブクログ
久しぶりに当たりに引いた感じ。最初の文から引き込まれてすいすい読めた。途中重い話もあり、主人公の姿勢に突っ込みたくもなったけど、全体としてみればとても良い作品だった。一緒になって推理もできるし、ある程度自分の考えていたとおりだったが、真相を聞かされたときはやられたと思った。久しぶりにラノベらしくないラノベに出会えてうれしい
Posted by ブクログ
好意を寄せる男の子をものにするために陰謀を張り巡らしたり、虐めた男の子に仕返ししようとしたりするヒロイン。そして主人公は現在寝たきりというのも衝撃的。
非ウィルス型嗜眠型脳炎により引き起こされる全身痙攣で指一本動かせず、瞬きすらもできない身体となった坪手明の病床を、今では習志野菜々子という仮名で呼ばれる少女が訪れる。それは、三年前、彼らが小学六年生だったあの事故から、平日は欠かされる事なく続けられてきた儀式だった。
その儀式が途切れた金曜日の翌月曜日。菜々子さんは突然、あの事故の出来事を蒸し返し始める。彼女が氏名連想誘発性心神喪失症候群と名付けられた、自分の本名を呼ばれると発作を起こす病気となった出来事が、誰かの故意で引き起こされた事件だったというのだ。
それをきっかけに、考えることしかできない坪手明は当時の出来事を思い起こす。自分と菜々子さん、そしてもう一人のNに起こった出来事を。
現在の二人の病室での出来事と、三年前の出来事を、交互に描写しながら、主人公の思考の軌跡をたどっていく形式の作品。そして最後に、菜々子さんの思考で真相が明かされる。主人公は現在全く意思表示ができないのだが、菜々子さんの一方的な語りと彼の思考が、まるで会話が成立しているように作り上げられている。
そして、三年前の回想では、主人公の思考方法と、菜々子さんの性格や行動が段階的に明らかにされ、それに基づいて事件が解き明かされていく。ラプラスの悪魔という、初期条件を適切に与えることで全ての未来を自在に操る仮想の悪魔の存在のように、前提が変わるたびに主人公の頭の中で仮説がコロコロと変わっていくのが面白い。そしてそこには、事態を全て掌握しようという菜々子さんの思惑も見え隠れする。
意図したことかどうかは分からないけれど、本当に小学生が背伸びをした表現を使ったように感じる文章のところもあったりして、ちょっと戸惑う表現のところもある気がする。だけど、ほとんど二人の登場人物だけで、互いに会話を成立させず、しかし意思疎通は出来ているように組みあがっているという、少し不思議な感じは面白いと思う。
Posted by ブクログ
2011年 1月当時の日記転載
根暗な主人公が鬱屈とした独白延々と語り続ける。
”菜々子さん”はかわいいけども。
正直この一人称はダルイ。
そしてミステリネタとしては、チープなトリックが序盤で明らかになると、事件か事故かとか、犯人的な人物とか、オチが透けて見える状態。
こんな状態でどーすんのかなとおもったら、散々遠回りしつつ、それでも納得のいく所に着地。
つーか頭いいなこの人…。
ミステリ風に書いてて全然ミステリではないのだけども、結論は序盤から視えているのだけども、その過程を十分に楽しむ事ができたと思います。
まあだからといって序盤のつまんなさが帳消しになるわけじゃないですが。
会話のセンスはあると思うのですが、お硬くて。たぶん主人公のせいだね。
もう少しコミカルな会話で序盤を盛り上げればかなり良かったと思います。
まあそれでも十分素晴らしい作品だったと思います。2巻も読もうw