【感想・ネタバレ】“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕のレビュー

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「彼女はぼくに自分の手柄を掲げて見せたのだ。」
ホームズワトスン関係の「青春ミステリ」語彙豊富な小中学生版
というよくあるラノベとは違うのだよラノベとはという
脱ラノベ志向風ライトノベルてきミステリかと思ったが
菜々子さんがちゃんとライトノベル風に「俗物」で「人間らしい」
魅力的なキャラクタとして描かれているのが面白い
文章はよいけれど構成はもうすこしひねらないほうが良いと思う

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2018年12月09日

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ある事故(事件)をめぐり、主人公と菜々子さんがお互いを疑い合う物語。主人公が、とある強制胡座椅子探偵状態という大変ショッキングな状況で物語が始まる。乱歩の芋虫状態に近いです。最後に真相が明かされるが、ストーリー的には枝葉のように感じた。
事件にまつわる菜々子さん特有の症状をきっかけに、彼女は主人公の前で事件の真犯人について推理を始める。その推理は菜々子さん本人が真犯人でないことを強調するものであった。そこで主人公は菜々子さんがこう思っていることに気づく。「あの事件の真犯人は菜々子さんではないか」と主人公が菜々子さんを疑っていると。主人公は菜々子さんに命をとられまいと、動かない身体を必死に動かして彼女を疑っていないことを示そうとするが……これホラーじゃないかと。
一番印象に残ったシーンは、菜々子さんが本心を隠せないところ。主人公が菜々子さんに事件を起こす動機がなかったことを指摘するのだが、実は動機ありますと長々説明してしまう。自白すれすれみたいな危ない道を歩いてしまうのは、主人公に好意を持っていたことの裏返しだろうか。
Nと主人公の人生がめちゃくちゃになる程の事件だったのに、菜々子さん「小悪魔」だから的な感じで主人公のなかでは真相が闇に葬られます。そこはキャラクター小説だからいいのか?

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2018年02月01日

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本名を呼ばれると起こる菜々子さんの発作。
全身麻痺で寝たきりの主人公。
1つの衝撃的な事件から始まる本作。
独白と、過去の回想を交えて、主人公は段々と真相に近づいていきます。

しかし、本作の魅力はそこではありません。
魅力的な菜々子さんというキャラクターを存分にいかしたストーリー展開。
そんな彼女の性質から訪れる最後には、あまりのいじらしさと方向のとんでもなさから、
読後は彼女のキャラクターにすっかりひきこまれてしまいます。
シリアスな展開を温かく彩る、二入のやり取りにぜひホッコリしてください。

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2013年04月29日

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ネタバレ

久しぶりに当たりに引いた感じ。最初の文から引き込まれてすいすい読めた。途中重い話もあり、主人公の姿勢に突っ込みたくもなったけど、全体としてみればとても良い作品だった。一緒になって推理もできるし、ある程度自分の考えていたとおりだったが、真相を聞かされたときはやられたと思った。久しぶりにラノベらしくないラノベに出会えてうれしい

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2012年06月10日

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 この作品にとっての幸運はこの絵師さんがついてくれたことだと思う。それによって「菜々子さん」の魅力は何倍にも跳ね上がっており、それがこの作品の評価を上げることにも繋がっている。特に175Pと219P、255Pの挿絵は秀逸の一言で彼女の魅力である「陰険」で「一途」で「頑張り屋」なところが見事に表現されている。
 物語はミステリ調で「事故」は「事件」だったのではという菜々子さんの語りが騙りではないか、彼女が真犯人ではないかと主人公が考える過程はぞくぞくさせられた。やや論理が飛躍してないかなと思う部分もあるけれど、気になるほどではなかった。
 そして、真相には思わず膝を打った……と同時に菜々子さんへの好感度が突き抜けるのを感じた。複雑な脚本を練るだけの知性があり、その通りに人物を動かさんとする意志の力もあり、機転も利き、判断力も度胸も一級のものを備えているのに、肝心要なところで絶対的に「間違って」しまっている。それも全力で。それを愛らしいと思ってしまう辺り、僕は手遅れかもしれません。

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2011年06月13日

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菜々子さんの性質に惹かれる。ありがちな腹黒ではなく、陰険さとして現れてる独特なポリシーが、ピリっとしたいい味付けになってる。語り口も舞台も状況も独特な設定でワクワクしながら読めた。

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2010年09月11日

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買って読んだのでなんともいえませんが、ちらっとみたweb版は読みづらそうでした。やっぱり紙媒体がいいな!(笑)

伏線は概ね回収されてすっきりしたんだけど、設定が整頓されてない感じはあったきがする。あとわざわざ考えなくてもいい場所で考えさせられたような(いやすぐわかるんだけど!なんていうか、久美子らへんがちょっとまわりくどかった気がする)。
結局昔の話だし、現在の登場人物が菜々子さんと主人公(と、久美子)しかいないから曖昧ですよね。妄想の範囲内すぎる。
でも久しぶりに興奮したから高評価つけてみまる。一気に読んだのも久しぶり!続編が出る雰囲気じゃないなと思ってたらなんか出るんですね。

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2010年08月07日

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極限なまでの閉鎖空間ミステリ
 病室で全く動かない僕に対し、クラスメイトだった菜々子さんは事件について独白を始めます。この特殊な環境下でのみ成立する心理戦、恐怖感の演出がよく出来ています。プロットの巧さとクセのある文体が相まって、ありがちな展開から先の読めない展開へ。回想シーンが冗長気味なのが難ですが、ライトノベル系ミステリとしては頭ひとつ抜けていると思いました。
 本文中では明らかにされなかった菜々子さんの謎が気になるところです。

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2016年06月19日

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ラノベ要素は少し既視感があるが、ロジックは相当に気合いが入っており、小説としての落としどころも好みど真ん中。

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2015年08月29日

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ネタバレ

 好意を寄せる男の子をものにするために陰謀を張り巡らしたり、虐めた男の子に仕返ししようとしたりするヒロイン。そして主人公は現在寝たきりというのも衝撃的。

 非ウィルス型嗜眠型脳炎により引き起こされる全身痙攣で指一本動かせず、瞬きすらもできない身体となった坪手明の病床を、今では習志野菜々子という仮名で呼ばれる少女が訪れる。それは、三年前、彼らが小学六年生だったあの事故から、平日は欠かされる事なく続けられてきた儀式だった。
 その儀式が途切れた金曜日の翌月曜日。菜々子さんは突然、あの事故の出来事を蒸し返し始める。彼女が氏名連想誘発性心神喪失症候群と名付けられた、自分の本名を呼ばれると発作を起こす病気となった出来事が、誰かの故意で引き起こされた事件だったというのだ。
 それをきっかけに、考えることしかできない坪手明は当時の出来事を思い起こす。自分と菜々子さん、そしてもう一人のNに起こった出来事を。

 現在の二人の病室での出来事と、三年前の出来事を、交互に描写しながら、主人公の思考の軌跡をたどっていく形式の作品。そして最後に、菜々子さんの思考で真相が明かされる。主人公は現在全く意思表示ができないのだが、菜々子さんの一方的な語りと彼の思考が、まるで会話が成立しているように作り上げられている。
 そして、三年前の回想では、主人公の思考方法と、菜々子さんの性格や行動が段階的に明らかにされ、それに基づいて事件が解き明かされていく。ラプラスの悪魔という、初期条件を適切に与えることで全ての未来を自在に操る仮想の悪魔の存在のように、前提が変わるたびに主人公の頭の中で仮説がコロコロと変わっていくのが面白い。そしてそこには、事態を全て掌握しようという菜々子さんの思惑も見え隠れする。

 意図したことかどうかは分からないけれど、本当に小学生が背伸びをした表現を使ったように感じる文章のところもあったりして、ちょっと戸惑う表現のところもある気がする。だけど、ほとんど二人の登場人物だけで、互いに会話を成立させず、しかし意思疎通は出来ているように組みあがっているという、少し不思議な感じは面白いと思う。

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2012年02月06日

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予測できそうで予測できない展開でぐいぐいひっぱられる。あと菜々子さんが陰険かわいい。そして瀬戸くんが意外といい奴なので次巻が出るならばぜひ活躍の場を

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2010年09月07日

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なんか・・・不思議な感じだった。小学生の特性?が良く表されてたのがスゲェーと思いました。
完結したっぽかったけど、続くのかな?続くなら読みたいです。なんか気になる。

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2010年08月19日

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評価が難しいです。でも面白かったのは事実。

最初くどいんですけどw
だんだんと登場人物の内面が分かってきて
それに伴って過去何が起こったのか
今、なにが起きているのかが判明してくると
読み進めやすくなります。

それにしても菜々子さんは可愛いし、動機もわかるんだけど、手段がこえぇw
あと主人公がちょっと自分には合わなかった。

階段のシーンは良かったなぁ。

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2010年08月18日

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全身麻痺で体を動かすことも物を見ることもできない主人公の過去を巡るミステリー。

特殊なシチュエーションと真相にたどり着くことだけが目的ではない異質なミステリーで面白い。

菜々子さんの「〜だわ」の使い方に違和感があって、小説や映画にある女言葉とはまた微妙に使い方が変で伏線かと思ったら全然そんなことはなかった。あれなんだったんだろう。

10年前くらいのラノベだから文章のくどさに懐かしさを覚えた。

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2022年12月02日

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ネタバレ

2011年 1月当時の日記転載

根暗な主人公が鬱屈とした独白延々と語り続ける。
”菜々子さん”はかわいいけども。
正直この一人称はダルイ。

そしてミステリネタとしては、チープなトリックが序盤で明らかになると、事件か事故かとか、犯人的な人物とか、オチが透けて見える状態。

こんな状態でどーすんのかなとおもったら、散々遠回りしつつ、それでも納得のいく所に着地。
つーか頭いいなこの人…。
ミステリ風に書いてて全然ミステリではないのだけども、結論は序盤から視えているのだけども、その過程を十分に楽しむ事ができたと思います。

まあだからといって序盤のつまんなさが帳消しになるわけじゃないですが。

会話のセンスはあると思うのですが、お硬くて。たぶん主人公のせいだね。
もう少しコミカルな会話で序盤を盛り上げればかなり良かったと思います。

まあそれでも十分素晴らしい作品だったと思います。2巻も読もうw

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2012年07月03日

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そういえばスニーカーはひさしぶりだな、とか意味不明のことをおもいながら読んだ。電子書籍でもでてたらしいけど、、、。これは時間かけて読んでしまったから電子書籍は、、、ちょっと、、、とおもいました。

 この文章は読んでからだいぶ時間をあけているのでちゃんとかけてないのでご注意を。
 読んでいたときにけっこう眠い状態だったためにそんない覚えてないのですが(おいっ)、もっとおもしろいものかとおもったら、意外と普通でした、ということ。
 主人公が眼がみえなくて体が動かなくって耳だけ使える、みたいな状態でずっと病院のベットで生活、それで平日に菜々子さんがきてくれる、というわけなのですが、、、。
主人公をベットにしばりつけているというのが斬新だった、とおもいましたが、まったく喋ることはないのでずっと菜々子さんが話かけたり主人公の思考とか回想ぐらいしかなかったので斬新だったちゃあ斬新だったけど、正直それほどでもなかったようなきがした。
 推理自体もそれほどでもなかったような、、、というかんじですかね。菜々子さんのキャラとしてはだいぶいいかんじにはなってましてたけどんね、はい。

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2010年10月08日

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【レビュー】
小学五年で起きたとある事故。そこに居合わせた三人はそれぞれ一つずつ失った。

その事故で身体の自由を失った少年は全身麻痺患者として三年間の入院生活を強いられる。
事故以来、本名を呼ばれると発作として重度のパニックを起こす少女は”菜々子”という仮名で三年間を過ごし、そのほとんどを少年への見舞いに費やす。

発端は少女のある日の発作。半年ぶりのその発作をきっかけに、少女は少年へある疑念を抱く。

やがてその疑念は少年から少女のそれへ。

きっかけは疑念。
結末は呪い。
その過程にあるのは、少女の推理と少年の思考。


 ***

読んでいて少しつらい。
しかし、展開的な不安、いわゆる鬱展開は特にない。
たぶん、書き方か編集の問題。おそらく後者。
前者としては、少年の回想部分が個人的にきつかった。なんだか『この道を通れ』と歩き方を指定されているような窮屈感がある。もっと抽象的でもよかった気がするけれど、読者が作者のリード(といえるレベルかすらわからない何か)の先に到達すること前提の結末なので、たぶん仕方がないだろう。

悪く言えば中途半端。ミステリとはいわないと思う。
良く言えばそんなことがどうでもよくなるくらい魅力的な会話が多い。

ほかのタグにあるミステリとして読んだら損をする気がする。良い意味でストーリー展開が素直なので、馬鹿みたいに疑ってかかるとかえって損をするパターン。まあ、こんな読み方をするのは中毒者だけだと思うけど。素直に読むべき。

普通に面白かった。
繰り返すが、個人的には会話がとても魅力的だった。


【感想】
完全にタイトル/ジャケ買い。後悔しないレベルで面白かった。
途中、『埒外』という言葉をつかう小学生に違和感。まあ、小説へのこんな感想は最低レベルの指摘なんだけれど。
”菜々子さん”の特異性を表す目的としても、さすがに……。

続刊が出るらしい。期待したいが不安もある。自分はこれをシュガーダークでも感じた。
いったい、どんな続編を書くのだろうか?
最近、こういった『とりあえず続編』が多い気がする。おそらく、気のせいだと思うが……。


イラストの菜々子さんが可愛い。だからジャケ買い。
こういうイラストからのインパクトの強さが、ラノベの良いところだろう。

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2010年08月27日

Posted by ブクログ

一風変わったライトノベル。
「菜々子」さんと呼ばれ(名無しのななこが由来)るのは
その本名を連想させる言葉を聞くと、極度のパニックに
陥る彼女と、全身不随の少年との不思議な繋がりが
描かれています。読んでいて息苦しさを
覚えるのは作品自体に緊張感と閉塞感を伴っている
からか? ぐるぐる、グルグルと同じところを
歩かされる騙し絵の螺旋階段を登っているようなイメージ。
一見、心理的な推理もののミステリ作品の皮を
被ってますが、核は歪んでるけど、実は直球な
恋愛ものなのですね。

細かい会話に散りばめた伏線も最終的には
きっちり回収したりするなど細かい芸当を見せ、
着地してるのですが、意図的に長く、ループ展開を
するストーリーが少々疲れるかも。

それにしても肝心の「菜々子」さんの本名って?何?

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2010年08月26日

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