あらすじ
「買えば、一生安心」は大間違い。
マンションは「終の住処」ではありません。
――なぜ、すべてのマンションに廃墟化の危機が訪れるのか?
マイホームを購入するほとんどの人が、「一生住むこと」を前提に家を買っている。そのために何千万というお金を借りる。
だが、じつは日本に存在する分譲マンションのほとんどが、廃墟化への時限爆弾を抱えいている。
その理由は、現在のマンションにおける所有形態、つまり区分所有制度にある。
この制度には決定的な欠陥があり、これを改めない限り、すべてのマンションは廃墟化への軌道をひたすら突き進むこととなる。
なぜ、「終の住処」であるはずのマンションが廃墟になってしまうのか?
どのようにして、廃墟への道を進むのか?
どうしたら廃墟化を食い止められるのか?
住宅ジャーナリストがその危機的現実と解決策を提示する。
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Posted by ブクログ
増築が進む分譲マンションに関し、将来的な見立てをまとめた一冊。基本、マンション保有者からするとホラーシナリオが展開されていたが、納得感はあった。
住居を選ぶ際、特に念頭に置きたいことは以下の通り
・不動産の価値を決めるのは、土地>建築物
・35年ローンを組んだ後に残るのは、資産価値が著しく低下したマンション
・マンションの行く末(老朽化対策/取り壊し等)を決めるのは、区分所有者により構成される管理組合。合議制のため、管理組合内での方向性を定めるのが難しく、また理事による組織腐敗等、様々な問題が噴出する可能性が高い
・現在の金利は史上最低水準。今後、上がることはあっても下がることはない。この中で限度額ぎりぎりまで住宅ローンを組むのが現実的か?
・管理会社と管理組合は、基本的に利益相反の関係。全てを管理会社に任せていると、カモにされる
・現行の区分所有法は、個人の権利や民主主義的決定を重んじる余り、管理組合の腐敗を許容するザル法とも言える