【感想・ネタバレ】「目的思考」で学びが変わる─千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦のレビュー

あらすじ

■既成概念にとらわれず、「社会で生きる力」をのばし育てる教育。その実践と未来を追う

首相官邸や国会議事堂にほど近い、千代田区平河町にある区立麹町中学校。古くから名門として知られるこの中学の校長になって5年目の工藤勇一がいま、日本の教育界を大きく揺さぶり続けている。口ぐせは「目的と手段をはき違えるな」。
定期テストや宿題を廃止し、固定担任制をやめて全員が担任になる「全員担任制」を導入、社会で生きるためのスキルとモチベーションを高めるための「麹中メソッド」や外部企業や専門家などをまきこんでの「オープンイノベーション」……既成概念を打ち破り、ビジネス的な手法をも大胆に導入して、公立中学としては画期的な改革を次々と行っている。この改革で子どもたちはどう変わったか、また目指すものは何か、工藤校長へのインタビューと周辺取材で解き明かす。

[目次]
第1章 世の中まんざらでもない。結構大人って素敵だ!
<特別対談(1)> 青野慶久氏(サイボウズ株式会社代表取締役社長)

第2章 行政まで動かした改革者の横顔
<特別対談(2)> 木村泰子氏(大阪市立大空小学校初代校長)

第3章「自律」の力を身につけた生徒たち

第4章 保護者も、学校を変えられる

<プロフィール>
工藤勇一(くどう・ゆういち)
1960年山形県生まれ。東京理科大学卒。山形県・東京都の中学校教諭、新宿区教育委員会指導課長などを経て、2014年4月より現職。現在は安倍首相の私的諮問機関である「教育再生実行会議」の委員をはじめ、経産省「EdTech委員」、産官学の有志が集う「教育長・校長プラットフォーム」発起人など多数の公職についている。

【著者】
多田慎介(ただ・しんすけ)
1983年、石川県金沢市生まれ。個人の働き方やキャリア形成、企業の採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。


※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『「目的思考」で学びが変わる──千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦』(2019年2月20日 第1刷)に基づいて制作されました。
※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。

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Posted by ブクログ

著者・工藤先生・生徒・保護者の目線から感じていることが書かれており、その視点から感じ取ることができた。一貫して、手段と目的を勘違いしてはいけないこと、最上位の目的は何であるか?大変わかりやすい内容であった。今すぐにでも実践したい衝動にかられるが、実際の現場に落とし込んでいくためには、断固たる決意が必要であろう。「学校の当たり前をやめた」に続き、手に取ってみたが、もはや麹町中学校で行われていることが、学校の当たり前に感じられる。これまでの学校教育があったからこそ、今の平和な日本があるのだとしても、これからの社会は、それだけでは生きていけないであろう。ならば、工藤先生のいう当たり前がはやく学校の当たり前になる時代が来てほしいと願うばかりだ。

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2022年09月15日

Posted by ブクログ

2022/07/25
工藤勇一校長が東京都の麹町中学校に在籍していた当時の色々な学校改革の様子について、外側のライターという立場から取材した内容をまとめた本。
これまで読んだ工藤勇一校長の目線から書かれた本を読み、客観的な立場から書かれたこの本も比較のために読んでみようと思いました。
実際の内容にこれまで読んだ本当の大きな差異はなくて、やはり信念を持って工藤勇一校長はいろいろなことを変えようとしていて、そのゴールにはしっかりしたゴールが見据えられているんだなと感じました。
また、この本は取材を行ったライターさんの立場からまとめられているので、学校改革の受け手となる生徒や保護者の視点も盛り込まれているところがとても分かりやすかったと思います。

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2022年07月27日

Posted by ブクログ

工藤校長先生の本はほとんど読んでいるのですが、こんな先生に出会ってみたかったなぁと毎回感じます。
子どもを育てる上で自分に必要なことがたくさん散りばめられており、何度も読み返してしまいます。

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2021年07月04日

Posted by ブクログ

そもそもの目的を見失い、従来の手段をこなす事に終始してないか…
学校現場の話ではあるが、校長は学生が社会人になる将来を見据え、学習の場を提供している。
職場においても、転用可能なトピックが多い。

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2020年01月01日

Posted by ブクログ

目的を達成するために手段がある。当たり前のようではあるが、時に私たちは手段を目的としてしまうことがある。例えば学校での頭髪服装指導など、その指導をすること自体を目的としてしまっている節がある。今一度、上位目標を確認し、子どものためを第一に学校にある習慣を考えていきたい。

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2019年07月16日

Posted by ブクログ

あまり考えずに手に取った本だけど、想像以上に良かった。
タイトルの通り、目的思考で全て考えると何が起きるかを実例で示した本。
教育の目的、学校の目的…それらの本質を考えた時に、実際にやるべきことは何か、
それを考えて実行している。そうすると、それに共感してくれる仲間が増えてくる。目的が明確だと、敵はいなくなって、違う立場からその問題に向き合えるようになる。
単純にこういう教育って良いなぁと思いながら読むのも楽しいし、どうやって組織を変えていくかという視点で読むのも楽しいし、いろんな視点で楽しめる良い本だと思います。

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2019年06月02日

Posted by ブクログ

同じように理想を掲げている先生はたくさんいるだろうけど、ここまでとことん目的ファーストで行動できている人は少ないんじゃないだろうか。
なるほどと思ったことはたくさんある中で、心の教育より行動の教育、という話はすごく印象に残っている。無理やり仲良くする必要はないし、嫌いな人や理解できない人もいる、そんな中で大人として協力し合いながらうまくやっていく、そんな振る舞いを身に付けることが大事だなと思う。

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2019年12月01日

Posted by ブクログ

民間出身ではなく、ここまで革命的な校長先生がいたとは、、、
最初から最後まで一気に読んでしまいました。
ただ、目的思考について、もう少し詳しく書いていただきたかったです。

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2024年06月21日

Posted by ブクログ

来月、工藤先生の講演を聴くことになっているので、事前の知識を入れておきたいと思い、読んでみた。

目まぐるしく変わる時代の中で、従来の教育の形に疑問をもち、本当に必要なこと考え、先進的なことを取り入れながら進める。これは簡単なことではないが、そこから逃げず、諦めず、一石を投じる工藤先生の姿に感動した
学校現場では、ちょうどコロナ禍で様々な活動に制限を余儀なくされたことで、これまでの当たり前に疑問をもち、必要性や在り方を吟味してきた。
単にこなすことを重んじ、目的を見失っていることは非常に多い。工藤先生が言う目的思考の大切さを痛感した。

一方で、公立中学校でもここまでできたという点をアピールしているが、麹町中は都会の中心に位置するため、家庭水準も高いであろうし、正直、それを他の地域、学校に適応するには環境が違い過ぎる。変に感化され、無理ある提案を始める職員がいないことを願う。あくまで地域、学校の実態に合わせた進め方が求められると思う。

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2023年07月16日

Posted by ブクログ

目的思考でまっすぐ考えれば帰結する、社会で生きる子どもを育てる教育が本当にその通りすぎてすごい。ここまで確信を持って自分の子どもにも接したい

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2023年03月05日

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学校の当たり前をやめたにかかれている事がベースで、内容も似ているが、読む価値はある。

復習感覚で読むといいと思う。
生徒を自律させるという最上位目標があるからこそ、ブレない教育ができるんだと感じた。

目的と手段を取り違えないように教師自信が目標を設定し、生徒にも伝えていくことが重要なんだと認識できた

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2022年01月01日

Posted by ブクログ

工藤氏の本は他にも読んだが、この本はその施策をした結果、実際現場がどうだったのか、などが詳しく書かれている。工藤氏に関する本を一冊だけは読みたい、という人にはこれを勧めたい。

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2020年10月26日

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「やってみたい!」この事に着きます!
こんな校長先生の元で勉強したいです。
学校の当たり前は、おかしいことが多すぎます。
服装、頭髪。それだけでどれだけ指導するか、指導されるか。生徒と教師の関係が悪くなるだけです。
こちら側が指導しやすい、みんな一緒、おかしい!

子どもに目を向けましょう!世界に目を向けましょう!頑張る所、矢印の方向が違います。

でも、悪気がない!それが正しい!正義何だと!思っている先生方が多すぎます。とっても真面目なんです!先生って…。

難しいです。
組織の中では…。工藤先生の様に校長先生にならなければ、できません。校長先生でもここまでできる方はいないと思います。こんな学校が増えて欲しいです。

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2020年05月25日

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工藤先生の本は2冊目
こちらの方がより具体的に書いてある
学校の出来事ではあるが、大人の世界でも思い当たる節は多い

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2020年04月18日

Posted by ブクログ

目的を設定し自律的行動する人材を育てる教育について具体例を交えながら書かれている。

大人に決まったルーティンをやらされると、生徒も保護者も思考停止になり、将来は歯車行きである⚙これまでの工業化社会では良かったかもしれないが、創造性やデザイン思考が求められるとされるポストインダストリアル社会では通用しない。
自分のやりたいこと、やるべきことを自分で考えて行動できる人間を育てる大切さと事例がよく分かる一冊。
→自分で目標設定、それに向けた行動を設定&実践

そのために大人がどう手助けすべきか。あれこれ指示を出すのではなく、質の良い問いを投げかけてあげることが重要。質の良い、とは人やタイミングによって異なる。だからこそ常に生徒の変化に気づいてあげられる教師・教育者が求められている。
→脱:形骸化作業、全ては生徒のために!

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2020年04月04日

Posted by ブクログ

「学校の当たり前」の著書に比べるとちょっと内容が薄いような感じがしましたが、こちらは、実際の生徒・教員の感想が入っており客観的な評価があるようにも感じました。目的志向で取り組むことによって、学校が変わっていくこともある。もちろん全部ではないと思いますが。

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2019年12月15日

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私の勤務校は、きめ細かい指導が売りになっている。それはそれで、生徒や保護者に「安心感」を与えることに繋がっていると実感している。ただ、このようなスタイルで教育活動をしていく上で、「これでは自律した大人にはなれない」と感じるようになってきた。

麹町中学校の実践は、「その場の安心感」など気に留めず、子ども達の将来を見据えた教育だと思う。既存のルールや行事などをスクラップし、意味のないものは改善していく、もしくは撤廃する。その際、学校教員だけでなく、生徒や保護者に議論させる。

まさに、学校は「誰のため」にあるのか、学校で「何を学ぶのか」を考えさせられた一冊である。

『学校が変われば、日本社会は必ず変わる。それを変えるのは「どこかの誰か」じゃない。「ここにいる自分自身」だ。』

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2019年07月31日

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「学校とはそういう場所なので…」を打ち壊す。

目的思考「何のためにやるのか」「誰のためにやるのか」を徹底して貫く。教育現場には古い慣習が多い。大手企業にも古い慣習が多く、時代の変化に対応することよりも昔の慣習が優先されることが多い。「去年こうだったから、今年もこうする」が散見される。

定期テストをやめたとか企画を生徒に任せたとかオープンイノベーションを取り入れたとか、麹町メソッドに注目が集まっているが、本質はそこではない。工藤氏のビジョンを具現化したものがそれというだけ、メソッドを真似したらいいというわけではない。

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2019年05月29日

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 一つの学校の実践が、これほどまでマスコミに取り上げられるのが、なんだか不思議な気がします。それだけ皆さん、教育に興味があるということなのかも知れませんが、一面だけ、それもプラスの部分だけに光を当てすぎなのではないでしょうか。

 教育に絶対はあり得ません。ある人にとって素晴らしい教育が、他の人にも全てよい、ということはないからです。そういう意味で、どんなに素晴らしい実践にも、必ず影の部分があると私は思うのです。

 もっとも、持ち上げるだけ持ち上げておいて、あるときを境に一気に落としたり、叩き始めたりするのは、マスコミの常套手段ですので、気を付けなければいけません。

 内容は、既に『学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―』を既に読んでいたので、正直あまり新しいと感じるところはありませんでした。本人が書いている分だけ、以前読んだ本の方が読みやすかった気がしますが、第三者の意見が散りばめられている分、今度読んだ本の方が、説得力はあるように思いました。

 今の教育に疑問のある方には、読んでみる価値があると思います。

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2019年04月30日

Posted by ブクログ

麹町中学校の校長の学校改革のレポート。ビジョンを明確にして目的の為に方法を考える。既存のルールも方法が目的化してないか考え抜く。
工藤校長がすごいのは周りを巻き込む力、味方にしていく力。
すべてが1.子どものため、2.保護者のため、自分たちの都合はその次。

公立中学でできるのであれば、民間企業でできないはずがない。

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

学校教育とは何なのか、気づかされる。当たり前だと思って過ごしてきた規則だらけの学校生活。何のために?の目的がなく、ただ規則に従う生徒、従わない生徒をすぐに罰する教師。教育の目的は何か?ではなく、手段が目的化してしまっていると気付かされた。この本は、学校の教育現場に限らず、会社や社員教育等にも参考になると思った。


個人的に好きな文
「良い行動ができる人を育てること」が目的、心の教育はそれを実現するために行う手段。見えない心を鍛えることも大事だが、本当に大切なのは行動。人の心なんて教育できるものではない。

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2021年02月20日

Posted by ブクログ

麹町中校長工藤勇一氏の教育改革について、多田慎介氏が詳しく紹介している。工藤氏の教育改革の基本的な考えは、岡本薫氏の「教育論議を「かみ合わせる」ための35のカギ」がもとになっていることがわかった。

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2019年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
はじめに
第1章  世の中まんざらでもない。結構大人って素敵だ!
第2章  行政まで変えた改革者の横顔
第3章  「自律」の力を身につけた生徒たち
第4章  保護者も、学校を変えられる
おわりに

<内容>
『学校の「当たり前」を変えた』の千代田区立麹町中の工藤校長を取材した本。WEB「WEDGE infinity」連載の記事を書籍化。読む順番はこれを読んでから、工藤校長の本を読んだ方が良い。その方がより驚きを得られるし、熱さを感じることができるだろう。あっちの本よりも詳しいのは、第4章の保護者のところか?PTAの巻き込み方が書かれている。

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2019年03月18日

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