【感想・ネタバレ】GREAT BOSS(グレートボス) ―シリコンバレー式ずけずけ言う力のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

率直で具体的。ビジネス書に”面白かった”という感想はなじまないが読み物としても十分面白い。生き生きした人柄が伝わる訳文にも好感を持った。
自分はこれまで”それぞれが内心でどう思っててもいいし相手さえ選べば陰口言うのもあり。大人として表向きの職場の円満さをみんなで維持することが大事”という考え方であり、その考えが急に変わることはないが(仕事がアドミニだからかもしれない)、組織運営について異なるアプローチのヒントをもらった。実践はかなり難しいけど・・・
アップルとグーグルの社風の違いは興味深かった。

P11 「ロックスター」とはしっかりと地に足がついていて、チームのみんなが頼りにできる岩(ロック)のように安定した存在という意味だ。【中略】その一方で、どんどん上を目指す、同じ仕事を1年もしていると気が狂いそうになるメンバーを「スーパースター」と呼んでいた。

P46 どうして「徹底的(ラディカル)」でなければならないのか?それは、わたしたちが本心を言わないことに慣れきっているからだ。【中略】しかし上司が対立を避けると悲惨なことになる。どうして「ホンネ(キャンダー)」なのか?チームメンバーがお互いにズバリと言い合えるような文化を作るには、全員が批判に慣れなければならない。【中略】し「正直さ(オネスティ)」ではなく「ホンネ(キャンダー)」という言葉を選んだのは、自分が正しいという思い込みが謙虚ではないからだ。

P52 優越感ほど信頼関係を損なうものはない。

P52 「心から気にかける」ということは、誕生日を覚えたり家族の名前を覚えたりすることではない。私生活のこまごました秘密を打ち明けることでもなければ生きたくない集まりに参加して無理におしゃべりをすることでもない。当たり前のことを実行することだ。それはつまり、部下の仕事以外の人生と夢を認めることだ。お互いにとって何が大切かを知ることだ。【中略】それでも、部下を気にかけるだけでは上司の役割は全うできない。部下を心の底から気にかけながら、それと同時に、嫌われる覚悟を持たなければならない。上司は時に孤独で、気持ちが部下に伝わらないと感じるものだ。でもそれでいい。あなたがパンチを受け止められれば、チームメンバーが部下を持った時いい上司になれる可能性は高まる。

P58 「徹底的なホンネ」と言ってもなんにでもケチをつけていいということではない。本当に大切な相手にだけ、「徹底的なホンネ」を使ってほしい。【中略】「徹底的なホンネ」は愚痴ではない。ストレス発散にはなるかもしれないが仲間を知るのに一番効率のいいやり方でもない。あなたが彼らを心から気にかけていることも示せない。

P92 誰かをほめるときは、誰が何をして、なぜそれがすごいのかをよく調べてからほめろ」

P102 自分が正しいかどうかより、正しい答えにたどり着くことを気にかけている人は、最高の上司になれる。

P116 高速成長の人に安定成長の仕事をさせない。逆もしかり。
P117 ほとんどの人はキャリアと人生を通して高速成長と安定成長の時期を行ったり来たりする。

P120 大聖堂の再建を率いた建築家のクリストファー・レンと3人のれんが職人の逸話)一番参考になったのは、レンが仕事の目的を考えだしたり、みんなの頭にすり込んだりしなかった点だ。レンが職人はそれぞれ違うことを気にかけながら、同時に同じことのために働いていた。レンの役割は、職人の話を聞き、聞いたことをしっかりと心にとどめ、全員がそれぞれに意義を見つけられる環境を作ることだった。

P189 (ジョブスが子供のころの石ころを磨く研磨機の逸話)チームの議論を経ると、アイデアも人もさらに美しくなる、とスティーブはのちに語っている。結果を見れば、摩擦や騒音には十分に価値がある。上司としてのあなたの仕事は「石ころ研磨機」のスイッチを入れることだ。スイッチを切ることが上司の仕事だと思っている人が多すぎる。

P209 メンバーを導きながら実務を続けるべきだ。現場から遠く離れると、仕事がわからなくなってメンバーのアイデアをはっきりさせる助けも議論に参加することも、どの決定がいいのかも、上手な説得の仕方を教えることもできなくなる。

P209 スケジュール帳に会議などの誰かと一緒に行うタスクだけが書き込まれる。すると実行の時間が取れなくなってしまう。マネジメントの仕事の一つは、計画を実行する時間がなくならないようにすることだ。

P231 価値観を共有する必要はない - 「全人格を仕事に持ち込む」ことを訴えている私が、価値観を書き出してもらうことに反対なのはどうしてだろう?大切なのは自分の価値観に忠実であることだし、それをチームの管理に生かすことだ。「勤勉」とか「正直さ」とか「イノベーション」なんて紙に書かなくてもいい。価値観を実践すればいい。

P258 正確なフィードバックを与えることを助けるテクニック
1)あなたが見た状況
2)その人が取ったいい行動、または悪い行動
3)あなたが見た、その行動の影響
これらの点に集中することで、その人の知性や常識や善意やそのほかの生まれ持った性格から意識をそらすことができる。

P302
心から相手のことを気にかける - でも自己犠牲はいらない
強きを助け弱きをくじくのは間違っている。でも逆が正しいとは限らない(上司にはなぜか攻撃的になることに気を付ける)
男性を見限らない - (無意識の偏見を持つ)相手を見限っても問題の解決にはならない。相手が理解するまでずっと言いにくいことをズバリと言い続け、心から相手を気にかけ続けるしかない。

P319 (中抜きミーティングのやり方)部下の了承を得る。上司の成長を助ける目的であることを徹底確認する。全員についてできないのならやらないほうがいい。ミーティングの残りが8分になったら参加者全員にメモを見てもらう。

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2020年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者はキム・スコット氏。アドセンス、ユーチューブ等でチームを率いた後、アップル大学の教員に。現在はツイッー等のアドバイザーを務める。タイトルに惹かれて購入。

感想。
この本のテーマ「徹底的なホンネ」は好き。同じ組織で、同じ組織目標に向かうんだから、価値観の違いはあれど、分かり合える部分が大半だと信じている。
422ページあるが、前半200ページで満足。後半のツールやテクニックはよくわからない。


備忘録。
・上司の権力の源は、権力ではなく、強い信頼関係であるべき。
・信頼関係を築くには、撤退的なホンネの関係を作るのが良い(本書のテーマ)。
・その為には、仕事上の鎧を脱ぎ捨て、相手を心から気にかけ、プロらしくない自分の姿を見せ、部下にもそうするように励ますこと。

・部下の仕事がお粗末な時、正直にそう伝える。部下を批判すれば相手はたいていムカつくが、ソコこそ勝負。相手を心から気にかけて、言いにくいことをズバリ言う。
・「批判」ではなく、「ホンネ」だ。

・優越感ほど信頼関係を損なうものはない。部下よりも自分の方が優秀だとか、賢いとか感じている態度をちらつかせると部下はついてこない。
・部下の仕事以外の人生と夢を認めること。互いにとって何が大切なのかを知ること。
・上司は時に孤独だ。我慢しよう。そのうち花開く。

・怒りや傷つくことを恐れていては最高の関係は生まれない。チームメンバーがあなたに対して激怒することもあり得ることを受け止めよ。

・一番犯しがちな過ちが、過剰な配慮。良かれと思っての優しい他当たり方は、最終的に不幸。

・「はっきり伝えて、理由を説明し、本来の軌道に戻す」「相手の能力を信じていることを伝えなながら、解釈の余地を残さないように指摘する」byジョブズ。

・高速成長の人にはチャレンジングな仕事を。安定成長な人にはそのスピードにあった仕事を。
・全く仕事が出来ず、どこに問題があるかは明らかなのに、改善の兆しが見えない社員もいるだろう。その社員には、まずは徹底的なホンネで向き合い、チームへの悪影響有無を確認し、セカンドオピニオンに意見を求め、先延ばしせずに辞めてもらう。

・上司は喜んで自分の過ちを認めよう。自分が正しいかどうかは関係ない。組織が正しい道を最短で歩むことが大切。

・静かな人に声を与える。
・部下に「私が何をしたら、何をやめたら、もっと働きやすくなる?」と聞く。
・意見ではなくて、事実を集める。
・ベビーシッターか精神分析医になった気がすると愚痴りたい時、「それがマネジメントだ!」と思いなさい。

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2019年06月23日

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