あらすじ
伝説になって消えた環状族『大阪MADファミリー』! その会長のDNAを受け継ぐ娘・リク。彼女は『シビックEK9』を所有するレイナと出会うことにより“走り屋の世界”へと踏み込んでいく……。シビック魂、炸裂! 新・大阪環状族レジェンド!!
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ターゲットはどの層?
なんとも「チャンピオン」くさい作品。
舞台は大阪環状線の環状族。
環状族といえば「ナニワトモアレ」シリーズが非常に有名。
「ナニハトモアレ」は2000年から連載開始され、第二部の終了は2014年。
少なくとも連載開始時は環状族の余韻が濃厚に残っていた時期だった。
一方の本作は2018年からの連載開始であり、環状族全盛期からは既に20年以上が経過していた。
それでかどうか、本作は「現代の環状族」を取り上げ、それに親世代としての当時のエピソードを挟むという形を取っている。
また、「ナニハトモアレ」とのバッティングを避けるためか、形式上は主人公が女の子。
これは、現在続編がチャンピオン系で書かれている「オーバーレブ」シリーズの影響を感じさせる。
結果として、「頭文字D」に対する「オーバーレブ」を、「ナニハトモアレ」に対する本作という形で表しているかのよう。
つまりは、既視感も強いという事になる。
また実際、本作の大半は「チーム同士の争い=男同士の争い」であり、主人公はそれにアクセントをつける程度の存在に過ぎない。
実質、ガリュウが主人公でいいんじゃないの?と思えるほど。
そもそも、2020年代も半ばの今に於いて、走り屋系の作品は古さを感じる。
40代以上の世代向けに過去の話として扱うのならまだしも、現在進行形の話として描くのは無理があるんじゃないだろうか?
そう考えると、本作のターゲットは結局40代以上あたりの人なのか?と思ってしまう。
(環状族全盛期の人たちは、既に60歳前後)
絵は、たまに崩れるが基本的には悪くはない。
いかにもチャンピオン系という感じではあるが。
また、「特攻の拓」や「カメレオン」、「頭文字D」や「ナニワトモアレ」などをリアルタイムで読んでいた自分には、古さを感じつつも懐かしく、のめり込みやすい要素もあるのは事実。
後は女性主人公を単なる三角関係のキャラとしてでなく、どう主人公として生かしていくか、また既に時代に取り残されつつある環状族をどう現代に魅力的なテーマとして描くか、そのあたりが課題になるんじゃないかと思う。