【感想・ネタバレ】私が作家になった理由のレビュー

あらすじ

都会的な短編小説の名手としてだけでなく、多彩な貌を持つ作家がみずみずしい文章で綴った自伝的エッセイ集!
エスプリの効いた文章は自己を通した時代に対する批評となり、時にユーモアを交えて辛辣な毒も見え隠れする。

早稲田大学の文学部で学び、卒業後は給料を得て習作するのに適している国会図書館に勤務し、退職して物書きに転身、文学賞をえて作家になる――小説家になる典型と言ってよいほどのコースを歩んできた作家が「初めから狙ってたんでしょ」と聞かれると、ちがうのだと否定する。小説を書くことも注文を受けて初めて筆をとったのであり、若い頃から志していたわけではなく、小説家になる能力など、備わっていない、と思っていたと綴る。でも、83年の人生を振り返ってみると……志していなかったにもかかわらず、小説家になるための経験を思いもよらず積んでいたのではないか。その一場面一場面を綴っていくことによって、作家に「なってしまった」理由が浮かび上ってくる。軽妙なタッチゆえにくぐりぬけてきた時代への風刺も洒脱で、いかにも阿刀田さんらしい“自伝”が編まれた。創作秘話も満載で、デジタル化の波に翻弄されている文学、そして本への尽きせぬ思いも随所に。楽しく読んで腹にずしりとくる、そんな文学論にもなっている。

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Posted by ブクログ

失礼ながらスルスルっと小説家に
なった方なのだと思い込んでいました。
大変な経験を幾度かしていらっしゃいますが、
前向きに明るく物事を捉えて人生歩まれているように感じ、そういう生き方いいなと思いました。

0
2024年08月16日

Posted by ブクログ

阿刀田高が作家になった理由については、決め手があるようなないような、そんな印象を受けました。
ただ、作家になった経緯は、ある程度、理解できました。

こういう、変わった経歴をもった方のほうが、きっと、作家として長生きするんでしょうね。
すでに80歳を越えていらっしゃいますが、ますますの活躍を期待したいと思います。

0
2019年03月20日

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