【感想・ネタバレ】カラー写真と地図でたどる 太平洋戦争 日本の軌跡のレビュー

あらすじ

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開戦前夜から終戦までの日本軍の軌跡を、CGにより着色したフルカラー写真で振り返る。モノクロ写真ではいまひとつ臨場感の薄かった解説も、全写真をカラー化することで硝煙の戦場をリアルに感じられます。また、写真だけでなく、地図・図版もカラーになり、植民地の宗主国や戦場における勢力図なども一目でわかります。豊富なビジュアルで、太平洋戦争を改めて概観できる新機軸の一冊となります。

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Posted by ブクログ

戦後81年をまもなく迎える。私はリアルにその経験が無いので、書籍やテレビ映像などからその知識を得るしかない。太平洋戦争は1941年(昭和16年)12月8日の南方作戦及び真珠湾攻撃に始まり、ポツダム宣言受諾後、降伏文書に調印した1945年(昭和20年)9月2日までに行われた、アジア・太平洋各方面で行われた戦闘の総称である。アジア各地を侵略する日本と、それに対抗するアメリカ、イギリス、オーストラリア、中国などの連合国との間で行われ、同時期に繰り広げられていた第二次世界大戦における最大の局面の一つである。戦時における日本側の呼称は、アジアの解放と大同盟を築く「大東亜戦争」である。但しこれは後付けの大義名分であり、実態としては、アジアを侵略し植民地化しようとした日本が、最大の石油輸入先であるアメリカから、石油や鉄屑の輸入をストップさせられ、その資源を確保しようとしてアジアに攻め込んだ事が直接的な引き金となっている。
戦争は暴力を伴う外交手段の一つであるから、それまでの大陸における中国への侵略と満洲国設立や国際連盟の脱退、ドイツ・イタリアとの三国同盟締結など、様々な国の動きを見なければならず、またそれによる影響を如何に国家の利益に繋げるか、そうした流れの中で見なければ、真因は掴めない。太平洋戦争はそうした複雑怪奇な世界情勢、正に複数の細い支流が大河に流れ込む様な中で起こった、たどり着いた先の戦争であると言える。
日本の戦死者は軍人だけで200万人、民間人が80万人と言われるが、アジア太平洋広範囲で戦死した兵士の数を正確に測る事はできない。
本書はかつて繰り広げられた太平洋戦争中に残された戦場の写真を、現代技術でカラー写真化したものとなっている。著者は明治維新から昭和の占領下に至る日本の近現代史を取材・研究するグループ「太平洋戦争研究会」である。単純な写真の解説だけでなく、太平洋戦争の原因を俯瞰的に捉え、経緯や背景と合わせて、カラーのビジュアルイメージで伝えているから、流れを掴みやすくなっている。当時の日本兵士やアメリカ兵士、そして戦災に巻き込まれた人々が見た景色を色付きで捉える事で、昭和の単なる歴史の一コマというだけでなく、戦争を見た事の無い我々戦後世代にリアルな現実を見せてくれる一冊となっている。
我々戦後世代は日本人がかつて経験したことを見聞きする事しかできない。それは平和の証であると言えばそれで終わりだ。今、「新しい戦前」と言われる様に、日本は軍事力の増強に直走る。二度と再び色の付いた現実を見る事になってはならない。人と人が殺し合う現実を知り、それに近づかない様にするにはどうしたら良いか。読者ひとりひとりに問いかける一冊だ。

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2026年08月12日

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