あらすじ
「自分が死んだらこの手紙を投函してほしい」と中学時代の親友・響子に託された「おたより庵」の店主・詩穂。やがて、彼女の死を知った詩穂は手紙を開封し、過去にまつわる事件に巻き込まれてゆく。町屋の並ぶ、どこか懐かしい町で「あの日の約束」が再び動き出す。店を訪れる者と、想いを伝えたい大切な誰かを繋ぐ、手紙ミステリー。著者初の単行本が、待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
最初は詩穂の雰囲気に合った進行で、まったりしながらも少し不思議なエピソードだったが、死んだはずのきょうこからイタズラの手紙が来てからの加速がすごかった。きょうこと、奈津代と、詩穂の身近にじわじわ危険が迫ってくる感じがゾワゾワした。城山が書いた將君への手紙も、一字でも悩んでた將君に端的に届くもので、將君が自信を持って過ごしてくれたら良いなと思う。近頃連絡をとってなかった友人たちに手紙を書いてみたくなった。
Posted by ブクログ
「私が死んだらこの手紙を投函してほしい」と中学時代に手紙を預かった友人が自殺で亡くなり、手紙用品の店を経営する詩穂は、その手紙を投函するか悩む。
ふとしたことから店の常連である城山がその手紙を読むこととなり、友人の自殺について疑問を持つようになるが…。
2章目から違う手紙の話が始まったので、連作短編集だったのかなと読み進めていたら、段々友人の自殺の真相に迫っていき、新たな事件まで。
モラハラ気質の嫌な奴ばかり出てくるので、あまり読んでいて気持ちよくない部分も。優しい人みたいになってるけど城山の過去の話も大概だと想う。
そんな中優しく育った城山の息子の手紙の話が好き。父からもらったものは名前だけだから、名前で繋がっていたいと、名前の漢字を知りたいって健気だなあ。
普段あまり手紙は書けないけど、手紙の持つ魅力は感じているつもりなので、詩穂が手紙のことを大切に想う描写に共感。だからこそ落ち着いた状態で大切な人に書きたいんだけど、それが高いハードルになってるんだよなあ。