あらすじ
込められた思い。たくされた祈り。
あなたは天皇・皇后両陛下の言葉に耳を傾けたことがありますか?
「普通の日本人だった経験がないので、 何になりたいと考えたことは一度もありません。 皇室以外の道を選べると思ったことはありません」
――明仁皇太子、1987年。アメリカの報道機関からの質問に対する回答。
「石ぐらい投げられてもいい。 そうしたことに恐れず、県民のなかに入っていきたい」
――明仁皇太子、1975年。沖縄訪問を前に。
「だれもが弱い自分というものを 恥ずかしく思いながら、それでも絶望しないで生きている」
――美智子皇太子妃、1980年。46歳の誕生日会見より。
【目次】
はじめに
1章 I Shall be Emperor.
2章 慰霊の旅・沖縄
3章 国民の苦しみと共に
4章 近隣諸国へのメッセージ
5章 戦争をしない国
6章 美智子皇后と共に
7章 次の世代へ
あとがき
※本書は過去に配信された『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』の増補改訂版です。
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Posted by ブクログ
平成天皇と美智子様がこれまでに発せられたおことばやお詠みになった歌、に、筆者の解説を加えた本。短くて易しい。
沖縄のこと、原発のこと、憲法のこと、戦争のこと、美智子様のこと、退位のこと、などなど。知ってたこともあれば知らなかったことも。
「天皇・皇后陛下が被災地を訪れ現地の方々にお言葉をかけられました」というニュースは、物心ついたころには平成になってた(5歳くらいだった)私にとってはもはや見慣れたおふたりの姿で、ああまたか、地震あったものな、くらいにしか思っていなかったが、「国民の苦しみに寄り添う」というそのスタイルは、象徴天皇としてのあり方について考えに考え、模索し続けてきたおふたりの答え、のひとつの形だったんだ、と認識を新たにした。
国政には関わらない立場だが、メッセージは発している。
糾弾でも批判でもなく、皮肉や嫌味でもなく、虚無や厭世でもなく、卑屈でも迎合でもなく、静かに堂々と、芯の通った主張をし続ける。というところがすごい。