あらすじ
「人の秘密はそっとしておかなければならないんです。膝の上に乗ったハリネズミみたいに」
いつも無表情な麦さんは“ささいな謎”を愛する、ちょっと不思議なパン屋の店員さん。
彼女の貴重な笑顔に一目惚れして以来、毎日せっせと謎を探しお店を訪ねる僕。パンとコーヒーと“ハリネズミ”とともに、今日も僕らのおいしい謎解きが始まる――。
“なるほどフォカッチャ”。それは「僕と彼女」を結び、「日常の謎」を紐解く魔法の合言葉。
感情タグBEST3
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アリクイのいんぼうシリーズが好きで買っちゃいました。
同じくこの本もゆるくて平和で好きになっちゃいました。
麦ちゃんの言葉は私も気を遣うが故にやってしまいそう。
相手を想うが故に起こってしまうことは悲しい。
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映画『かもめ食堂』を観ればシナモンロールを焼きたくなるように、この小説を読めばパンをかじりたくなる。
それも、個人がやってるブーランジェリー(パン屋)のパンを。
ライトノベルか深夜アニメ化と思うほどしっかり味付けされたキャラクター設定。
日本のお家芸である「普通(だと自任している)男性キャラクターが美女/美少女とつるみながら何かする」テンプレートに則りながら、ハリネズミとパンというふわふわもちもちが加わることでそのニオイ消しになっている。
殺人事件が起きるわけではない。
トンでも事件に巻き込まれるでもない。
「これは何なんだろう」をひたすら追って解き明かす。
間にパン休憩が入る。
私は近所のブーランジェリーのイートインスペースでこの本を読んだ。
その読み方だとこの本はきっと何倍も“おいしい”。
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ゆる〜い日常の謎解き。好奇心は悪い事ではないけれど何もかも知る必要はないのかな。心の中は見えないし、感じ方も捉え方も人それぞれ。結果は変わらないのに過程の見方が変われば受け取り方も変わってしまう。心って難しい。
作品紹介のページで、宇佐ちゃんと小説家のハトさんが前作の登場キャラかもって気づいたらちょっと嬉しかった。
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大学4年だが就職が決まっていない蜜柑崎。4人のサークルめ組(めし食いたい同盟)の部室でコタツに入りご飯を食べる毎日。
ある日電車の中で見かけて一目惚れした彼女が近所のパン屋さんで働いていると知り、イートインに通い詰めるように。
彼女・麦がパン屋で働く理由、蜜柑崎のファーストネーム、麦のペットのハリネズミ、ご近所のお宅が表札代わりに時計をかけている理由などなど、いつしか謎解きをふたりでするように。しかし、近づいたと思うと冷淡になる彼女の気持ちは一体・・・?
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謎解きはしたいし、真相も知りたいけど、それで人を傷つけるのは嫌な麦。ポーカーフェイスだけど、結構ぐるぐると考え込むタイプなのが少しずつ分かってきて、実は不器用な子なんだな。可愛くなってくる。蜜柑崎との会話や謎解きも、楽しそうに見えて、もっとこんな時間が続くといいな。と思う。少しずつでも、麦が自分の気持ちを現せるようになるといいな。