あらすじ
携帯電話に詰め込まれた老舗の技術を知っていますか? 折り曲げ部分には創業三百年の京都の金属箔粉屋の、マナーモードは日本橋の元両替商の、心臓部の人工水晶は明治創業の企業の技術が関わっています。時代の波をのりこえ、老舗はなぜ生き残れたのか。本分を守りつつ挑戦する精神、社会貢献の意志、「丹精」という価値観。潰れない会社のシンプルで奥深い哲学を探る、企業人必読の一冊!(対談・中沢孝夫)
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Posted by ブクログ
・日本には、100年以上続いている会社の数が、10万以上と推定されている。少なくとも、東京商工リサーチの調査では、2017年の段階で、3万3千にのぼった。
・金を10マイクロメートルという細さで製造し、世界中で使われている田中貴金属。
・ケータイの心臓部と言える「人工水晶」をつくっている、エプソントヨコム。
・世界中のケータイで使われている電気的にメッキされた銅箔を製造している、福田金属箔粉工業。
・ケータイ等の機械のゴミの山を溶かして、金や銀を取り出している秋田の小坂製錬。
・羊の皮膚に注射することで、羊の毛が抜ける薬を製造しているのは、ヒゲタ醤油。キッコーマン、ヤマサと並ぶシンセで、首都圏のそば屋ではシェア8割に及ぶ。
・ロウを取り扱うセラリカNODA、トレハロースの大量生産に初めて成功し、インターフェロンの量産化を行った林原は、本当にアクティブに動き回り、研究と営業を繰り返して、様々なプロダクトを世に生み出している。
・林原健。「研究開発に10年、20年かかっているものも珍しくない。こういう10年とか20年とか、あるいは30年とか、それだけの期間をかけないとできない研究って、山程あるわけですよ。そして、大企業にはできないんですよ」
・老舗というと、「不動」や「停滞」をイメージする人も多いかもしれないが、長く歴史のある老舗企業は、「動」である。
・侵略されたり、内戦に見舞われた期間が短い国ほど、企業は継続できない。アメリカは200年以上続く企業が14社あるが、中国には9社、インドには3社しかない。