あらすじ
「人類など、塵のようなもの。私が滅ぼしてくれる」
魔界最強の姫ヴァルアリスは、異界を滅ぼさなければならないという王族に課せられた試練のため、人類を滅ぼすべく人界に降り立った。
試練には、その世界が存在したことの証明となるその地の文化物を、滅ぼす前に保存しなければならないという守るべき厳格なルールがあった。
そこで人類の料理を文化物として保存しようと考えるヴァルアリス。
しかし、そんなヴァルアリスを待ち構えていたのは、カレー、ラーメン、寿司、パンケーキなどのあまりにも美味な人類の料理!
そして、お客様のためとんでもないこだわりと熱量で調理する常人を大きく逸脱した最強の料理人たちだった!
はたして、ヴァルアリスは食の誘惑に打ち勝ち、料理を食べきらずに保存して、人類を根絶せしめる事ができるのか!?
「くっ、何故こんなにも美味しいのだぁぁぁぁ!」
頑張れ、ヴァルアリス! 世界の命運を賭けた最高のグルメコメディバトル開幕!
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Posted by ブクログ
魔界最強の姫が、人間文化に勝利するために何故か孤独のグルメする話(で、タイトル通り毎回負ける)。
魔界パートはシリアスながら魔法や官職の名前で笑わせに来る。人間界パートでは普通のグルメ小説のようになるのでそこのギャップも楽しい。しかしたまに、狂人のような料理人が出てきたり、カレーの辛さのあまり店員を爆殺させてしまったり(その後あわてて蘇生)、突拍子もない描写が入ってきて読者を油断させない。しかしキワモノめいていて、根底を人情的な要素が支えていて妙な安定感もある。
カクヨムで連載を読んでいた時は「ヴァルアリスの一人相撲感、敗北を続けている後ろめたさ」のようなものが強い感があったけど、書籍版でキャラやエピソード等の視点が増えたこともあって、またちょっと別の…ポジティブな見方ができるようになってきました。
あと挿絵も良い。個人的にヴァルアリスはもうちょっとキツめイメージだったけどw