【感想・ネタバレ】ガンディーのレビュー

あらすじ

人類の遺産である「非暴力」思想はいかにして生まれたか。近代化の過程で科学万能主義に抗い誕生した秘教思想との関わりを軸に、ガンディーの知られざる実像に迫る評伝。

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Posted by ブクログ

ガンディーの思想はどこからやってきたのだろう?

自伝にもあるようにイギリスに行く前には、それほど宗教的ではなかったのに、なぜヒンドゥー化していったのか?ヒンドゥーに根ざして、カーストを肯定しているのに、不可触民への差別の撤廃に取り組んでいるのはなぜ?など疑問は多い。

いや、そもそもガンディーの思想の中核にあるバガヴァッドギーターは、普通に読めば、個人の小さな感情は捨てて、自分の役目である戦闘に向かえというふうな話しで、これがどうして非暴力思想の基礎になるのか、わからない。

といった疑問にかなり包括的に答えてくれる本で、ガンジーの思想的な変化をその人生と合わせて、丁寧に説得力のある形でまとめている。これまでありそうでなかった本。

特に彼の思想は、単純にインド的なものではなく、西欧的な秘教思想、普遍宗教側から捉え直されたヒンドゥーであり、それは宗教的であると同時に、インドの民衆を動員するためのプロパガンダ的な要素もあったということは、かなり目から鱗であった。

ある意味、ガンジーの非聖人化なのだけど、本人もそれを求めていたわけでもなさそうだし、ある意味、彼も欠点のある人間であるが、にもかかわらずあれだけのことを行った。という意味で、よりガンディーに対する興味が高まった。

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2023年10月09日

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