あらすじ
・「AIで仕事がなくなる」って本当?
・AIを活用するにはビッグデータが必要なの?
・AIで会社の売上を伸ばせるの?
・GDPR問題って何?
・AI時代に生き残るためには何を学べばいいの?
AIにまつわる不安や疑問も、これですっきり!
文系・IT音痴でもざっくりよくわかる、
「AIで何ができるか? 私たちの仕事はどう変わるか?」
ハーバードでMBA取得、米グーグル本社勤務を経て、
現在はシリコンバレーを拠点にAIビジネスデザイン企業を経営する
著者が教える、AIビジネスの最新事情と「あたらしい働き方」
毎日のようにAIについてのニュースが流れてきて、書店にいけば「AI時代の~」と書かれたビジネス書があふれています。にもかかわらず、AIを使えば私たちの仕事や暮らしがどのように変わるのか、その実情はよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
本書は、私たちの仕事にAIがどのようにかかわってくるかを知りたい一般ビジネスパーソンや学生の皆さん、そして、実際にAI導入を考えている経営者や事業担当者の方にむけて書かれた、いわばAIビジネスの入門書です。
具体的には、「そもそもAIとは何なのか」から、「世界の最新AIビジネスではどんなことが起きているのか」「実際に自社にAI導入を考える際にはどんなステップを踏めばよいか」「今後のAIビジネスの課題とは何か」、そして、「AI時代に求められる人材とキャリア形成のあり方」といったことまで、文系ビジネスパーソンでもわかる平易な言葉で解説していきます。
平易な入門書といっても、著者はシリコンバレーを拠点に活躍する、AIビジネスデザインカンパニーの経営者。AI技術を使って企業の課題を解決するビジネスを展開しており、紹介される事例はいずれも最新、最先端のもの。実際にAIビジネスにかかわっている方や、エンジニア、データサイエンティストにも一読の価値ありの内容です。
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Posted by ブクログ
AIについて漠然とした知識しか無かったがなんとなく分かってきた。中でもデータサイエンティストという仕事に興味を持った。AIに仕事を取られるとニュースやSNSで言われていたため、いかにAIに取って代わられない仕事に就くかが大事だと思っていた。しかしAIに仕事を任せることで人間は人間にしか出来ないことをするということを認識できた。私も私にしか出来ないことを見つけていきたい。
•自分の人生を自分でデザインする
•社会人になっても何かしら学び続ける
Posted by ブクログ
AIの導入的な知識が理解できる1冊。AI人材とこれからの働き方を読むと、今後目指すべき指針が見えてくる。
以下、気になった箇所。
◆AI導入のために
・データは21 世紀の石油
→生のままでは使い物にならない
・導入・定着・効果検証のサイクル
→現場状況を精査してから開発する
→どのデータで検証するか、効率アップのKPI
◆AIビジネスの課題
①バイアスの取り除き方
→人間がAIに学習させることによる恣意性
マイノリティーにおける精度も公表するべき
→目的を持ったAI開発(AI with Purpose)が必要
②個人情報の取り扱い
→Facebookスキャンダル(トランプの選挙対策)
個人情報を政治に利用、人の態度変容を起こす
→ソーシャルグラフ
ウェブ上で誰と誰が交友を持っているか
「つながり」のデータそのものが金脈
⇔コラボレイティブ・フィルタリング
これを買った人は、これも買っています
→GDPR(一般データ保護規則)
1.IPアドレスやCookieも個人情報とみなす
2.個人情報取得時は、ユーザーの同意が必要
③著作権の取り扱い
◆AI人材とは
・AIの活用は不可避、AIはインフラになる
→ 世界の企業が必要とするAI人材は約100万人
70 万人不足している
・AIに関する職種
→数学・統計学を活用し企業価値向上を検討
・データアナリスト
→整っているデータを分析し改善点を見つける
・データサイエンティスト
→機械学習導入時のデータ構造の設計〜実装
機械学習のエンジニアに近い
・AIビジネスデザイナー
→経営層とデータサイエンティストをつなぐ
→企業の成長戦略を選定
ユーザーストーリーに落とし込み、語れる
→具体的なプロジェクトとして推進できる
・ビジネスデザインとは
→人間中心のイノベーションアプローチ
→経営課題とユーザー体験に基づく問題解決手法
・イノベーションとは
→ 3つのベン図が重なったスイートスポット
…ビジネス性(Viability)
ユーザーのニーズ(Desirability)
技術性(Feasibility
◆AIとこれからの働き方
・AIにより、より人間らしい仕事に時間を割ける
→人間が行なうには苦痛すぎる仕事をAIに
人間はよりクリエイティブな仕事に
・AIが奪う仕事よりも、作り出す仕事の方が多い
・AIトレーナー、ロボット管理者
→良いデータ、良くないデータを仕分ける
→AI搭載型の産業ロボットが、消費者の好みや劇的なプロセス変化に自動で対応することは難しい
・AI時代に生き残る人材
トーマス・フリードマン『フラット化する世界』
→特化型:代替のきかない技術を持つ
→適応者:高い技術力を持ち、適応能力が高い
→合成役: コミュニケーション能力が高く、異業種の人材をまとめて動かす
・AIバイリンガルを育てる教育
→歴史や哲学、法律や経済学の知識も必要
→自分たちが何を作るべきかを議論できなくなる
→文系理系を二重専攻した人が重宝される
・ビジネスモデルの変革には、AI×別領域の掛け合わせが必要
→ AI×行動経済学
CBO(Chief Behavioral Officer)
・リカレント教育
→社会人が学び直したり就労するサイクル
→ 不安に思うのは、問題意識がある証拠
→何かをゼロから作る、アウトプットが大事
・ポートフォリオキャリア
→複数のキャリアを持って働く人も多い
・ワークライフインテグレーション
→仕事と生活の統合
→オンとオフなんてない、あるのは私という人間
⇔ ワークライフバランス
バランス=両立にプレッシャーを感じる
◆用語
・カグル
→ 世界一のデータサイエンティストのコミュニティを持つバーチャルプラットフォーム
・分類器
→大量の商品データが、どのプロダクトカテゴリーに属するのかを分類する
Posted by ブクログ
よく聞く「データは石油である」という言葉を逆から見ると、「石油のままでは使い物にならない」であり、「使える状態にする(プロトタイプ、落とし所の共有)」と「それを使いこなす人の育成(導入の壁超える)」、さらに言えば「もっと使えるように業務を改善し続ける文化(定着の壁超える)」である。
「解決したい課題がはっきりしてない場合」は、課題を全部棚卸しして、効率化(生産性)と収益化のマトリクスで重み付けし、AI(集められるデータの最適化)で解決できそうなグループに分けて進める。と言った具合に、AI実装のプロセスが解説されている。著者のクライアント企業へのコンサルの流れと言って良い。
これらは「データサイエンティストの仕事」であって、既存データを分析して改善点を出す「データアナリスト」とは異なると指摘する。機械学習のためのデータ構築に沿った業務およびビジネスモデルの改善・構築もコミットするので、データサイエンティストが高いレベルが要求されるという。
データサイエンティストと同様に、エンジニアの最高峰は、フロントエンド、バックエンド、データベース、サーバーインフラ、モバイルアプリなど、事業に関わるすべての分野に精通するフルスタックのソフトウェアエンジニア、AWSなどを使いこなすインフラ・エンジニア。
こういった技能を持つ人材の年俸は3000万円を超える。Facebook,Googleは平均3600万円と言う。初任給83万円のファーウェイショックに湧いた日本の製造業とは別世界だ。インドでも初年度で1500万円を超えるという。ディープラーニングの研究所所長クラスはシリコンバレーで年俸10億円!人気プロスポーツ選手のスターの領域だ。
最終章では、AIとか機械学習も関係なかったGoogle時代からの著者のキャリアパスが書かれている。配属されたGoogleショッピングの分類器チームで機械学習機能を開発することになり、「ムーク」で勉強したという。著者の会社の社員らも仕事をしながらムークで現在も受講。自分史上最高のアウトプットをするための投資として世界最高レベルのインプットがオンラインで受ける生活を垣間見ることができた。